変化と時の流れ…

元々は前回の投稿(APEX、ミラージュの件)は7月分でアップデートのお陰で1ヶ月遅れの8月分で9月分は2本と思っていたのだが、書きたいと思えたテーマがゲームだらけ…
コロナのおかげで映画も見に行けておらず、結局家でゲーム三昧(;´д`)トホホ…
困った、3本連続でゲームか…などと思いながら、9月に入り2日の深夜、寝る前にTwitterを確認していたら、F1のofficialが「キミ・ライコネン 今シーズンで引退」と伝えていた。

本当にショックで翌日(というよりは起床後)は朝から予定を取り止めるくらいに気落ち、溜め息ばかりの1日。やっと立ち直ってきたのでテーマ被りにならない様に今からここに書いていくわけであります。

F1を現地観戦した事も無ければ、生中継を見た事もない。そんな1人の人間がF1やキミ・ライコネンに対する想いを記すのも何か烏滸がましいのかなとも思いますが、1ファンとして軽く見て欲しい。

『応援するチームは?』と聞かれたら、「フェラーリ」
『好きなドライバーは?』と聞かれたら、「(2021シーズンで)現役ならキミ・ライコネン、それ以外も含めるなら人柄はヤルノ・トゥルーリ、ドライバーとしてならヒュルケンベルグかキミ」と答える。

ナゼ、フェラーリが好きなのか。
実際にF1に興味を持ったのは2007〜2012、2016〜今と極めて最近である事がわかると思う。2010〜2012あたりは日本人ドライバーとして小林可夢偉さんが活躍していた時でミーハー感は否めない。本当に好きになったのは2016年以降だと感じる。
F1を知った理由は前年に遡る。小学生1年の誕生日の事、ずっと憧れていたラジコンを貰った。(憧れてはいたが、欲しいとは一言も言ってないのだが…)
フェラーリのラジコン、真っ赤に光るボディ、中身までかなり詳細に作られており、車が好きだった子供であったからこそか魅入られてしまったのである。

なかなか走らせようとしない私を見て、どう遊ぶか分からないのかと思った父が綺麗に舗装されていないマンション裏の駐車場の上を走らせ、バウンドした車体は軸が左側に大幅に曲がり、裏にある調整も効かないほど、少しずつ左に曲がるマシンと化してしまったのだが…(ついでに言うと左に曲がるおかげで左側のミラーがない)

真っ赤なマシン、跳ね馬、フェラーリ、フェラーリといえば(直線で)速いというイメージ、速いと言えばF1、と子供の思考回路で辿り着いたのが秋口、そろそろワールドチャンピオンが決まる頃である。もちろん、応援したのは真っ赤なマシン。夜遅くまで起きていることは許されない家庭環境であり、パソコンなんて上手く使えない。そして、動作が重い…
やっとの思いでニュース記事だけを見る時期、そうしたら、フェラーリのキミ・ライコネンが1ポイント差で逆転ワールドチャンピオンで優勝という記事。その当時の映像を見たのは中学生になってからだったけど、当時からキミ・ライコネンというドライバー、フェラーリが自分の中でも輝いて見えていた。だからこそ2009年の遅くなってしまった跳ね馬にガッカリしていたし、もう一度F1を気にしたのも日本人ドライバーという要素だけだった。

キミがF1を離れて戻ってきて、かつシーズン前のテストの時点でフェラーリが速くなっていた2016年は本当に嬉しかった。そして、当時よりもネットに強くなっていた私は色々な所から空白期間の記録、映像を1から勉強した。(この時にキミのワールドチャンピオンの映像も見た)

フェラーリ復帰してからキミが勝てない(惜しいところまでいる)というのを知っていながらも、キミのファンである事をやめられなかった。そこにあったのは「速いマシンにキミを乗せれば、ちゃんと速く走らせてくれる」と言う思いしかなかった。実際に2018年アメリカGPでキミが勝った時には自分の事の様に嬉しかったし、2017年モナコGPでポールを取った翌日のレース結果にはなんでこんな采配をしたのかと信じられなかった。
レース中の速さを語ってもキリが無い。だって、彼は速かったのだから。



アルファロメオに移籍しても、私の中にはキミ・ライコネンの走りがまだ見れる事の方がフェラーリの人事以上に大きな事だった。
例え、中団・下位を争うチームであっても、40歳を超えてまで速さを見せつけてくれるクールで澄ましながら見せるのガッツが好きだ。
移籍してから少し柔らかくなった様な姿を見せながらも、レース中の無線での言葉の荒らさも変わらない感じが好きだ。
マックス・フェルスタッペン、ミック・シューマッハといった若手ドライバーとその父親たちと戦った事のあるドライバーとしてレースを走っている姿、ほぼ同期のようなフェルナンド・アロンソとの大ベテランとして今も尚レースを走る姿。
中継で映った大泣きした男の子の為にファンサービスする姿も拍手しかなかったし、コース外で見せるちょっとした姿も世界中のF1ファンに人気な理由の1つだろう。 
同じ年齢の頃の自分の父親と比べても、カッコ良さの中にあどけなさ・可愛さを秘めている所がまた好印象を持たずにはいられない。


しかし、F1という究極の舞台でその走りが、姿が見れなくなる事は本当に残念でならない。

彼ほど、クリーンなレースをキャリアの中で続けられたドライバーはそうそう居ないと思う。大体のドライバーは歳をとっていく中でアグレッシブすぎる走りが抑えられているが、デビューからミスでの接触を除いて危ないなと思う事は少ない。

時は流れ、状況は変化する。
アロンソが来シーズンも残留すると聞いて、キミも残って欲しいと思わずにはいられなかった。けれども、夏休みに入る前からキミ・ライコネンは今シーズンまでという情報は多く入った。そして、2日の深夜の情報でその事が本当だということも知った。戻れるなら去年のように言って欲しかった…



セナ・プロが過ぎ、ミハイル・シューマッハとライバル達、
新たなチャンピオンの訪れ、レッドブル・メルセデスの時代、ハミルトン1強と才能溢れる若手ドライバー達の争い。
マシンも排気音が良かったV10、V8エンジンが内熱機関とエネルギー回生システム(ERS)へと変化し、PUなんて洒落た呼び方をするようになった。DRS、Haloといった技術革新、エンジンパフォーマンスだけでなく、空力の時代と技術面でも進化していった。
時の流れに逆らわれず、技術も環境を気にし始め、ドライバーも血の入れ替えが行われていく。

現役生活19年、ほぼ私が生まれたのと変わらない頃から始まったF1ドライバー生活も今シーズンで終わってしまう。
来シーズン以降、マシンもレギュレーションも大きく変化していく。
今年は日本で鈴鹿でキミ・ライコネン、あなたの姿を見ることは叶わないが、あなたが魅せた数々のレースは私の記憶に残り続けるだろう。それは今後も見られる様々な輝かしいレースよりも…

さらば、赤いオオカミ…
さらば、アイスマン…

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