大学生のほとんどが就職活動をする驚愕の理由1選!

どうして就活をするのか。
それは自立して生きていけるようにするため。自分の力でお金を稼ぐため。生きがいを見つけるため。

全く違う。

大学生が就職活動をする驚愕の理由は


“みんなしているから”


である。

とりあえず周りを見渡せば当然のごとく就活をしている。それに流され、三月になれば一斉にスーツを着て大学に行くし、国際展示場に向かうために今まで乗りもしなかった東京臨海高速鉄道りんかい線とかいう仰々しい名のついた電車に揺られもする。

「企業」という限られた枠のコミュニティに属すことができるよう、また属すことを認められるために、 “バリュー”を発揮するべく「一体自分と他との差異は何なのだろうか」と頭をひねる。「みんながやってるから」という理由で就活をしているにもかかわらず “バリュー”を一生懸命に探しているその様は実に滑稽である。

せっかく就活をするなら “大”企業がいい。いや、もっといえばみんな(それは世界中普遍的に、ではなく、「自分が関係するという程度の極極小さなコミュニティの人たち」という意味での “みんな”であるが、その事は言っている本人も気づいていない)が 「すごいね!」って言うような企業をめざしたいところだ。とりあえず総合商社なら申し分ないだろう。英語はできないから外資系企業は無理か。メーカーであれば明治やサントリーであればギリギリか。

そうだ、この際ネットで 「就活 企業 難易度」で調べてみよう。なるほど、 “企業偏差値”なるものがあるのか。自分の身分ならUFJでもまぁ許せるな。

就職活動において最も用意すべきこと、それは「志望理由」と「がくちか」である。なぜなら面接で聞かれるから。

志望理由は大体、
「給料がいいから」
「入ったらすごいから」
「とりあえず内定がほしくて、ここなら自分がはいれそうだから」
と相場が決まっている。もちろんこれを面接官に直接言ったら印象が悪いだろうから、とりあえず
「父が自営業をやっていて、、、」
「人を助けることに喜びを感じていて、、、」と、面接官の “共感” “納得” を目指した、自己正当化エピソードを用意し、それをあたかも作ってきたものじゃあないんですよぉ感を出すために自然と話せるように、頭の中で何度も何度も反芻する。

がくちかとは、「学生時代力を入れて頑張ったこと」の略である。一般的な大学生が学生時代頑張れることなんてせいぜい
「サークルで日本酒一升あけたことあります」
「バイトで年130万稼ぎました」
「youtube年間500動画みました」
くらいだろう。カンボジアに学校を建てたことを笑う大学生の八割はカンボジアがどこにあるかすらもわからないし、女を何人抱いたかを自慢げに話すことぐらいしかやったことがない。
サァ3月から始まる就職活動で“何を”がくちかに “しよう”。出来るだけ具体的であるほうがいい。そしてなるべく感動的な物語がいい。そうして生まれるのが、
「新歓委員として新入生100人を、、、」
「バイトリーダーとしてお客様満足度を、、、」と言った、だれしもが2秒で思いつくようなエピソードを1日かけて作った感動ストーリーだ。辻褄があうよう “論理的に”構成すれば、内定待ったなしである。

このような、春になると大学生みんなが、捨てられたパン屑に群がるアリのように一律に蠢き、当たり前のように建前を用意して臨む就職活動を、気色悪いと思うだろうか。

私は全く思わない。

なぜなら人間とはそういう生き物だと思うからだ。出来るだけ周りに合わせ、忖度した方が楽なようにこの世界は出来ている。楽をする事はそれほど悪であろか。また、誰だってただの社会の歯車である事は嫌だが、金の歯車であれば大体の人は満足する。そもそもただの歯車だって悪くないだろう。なぜならそれが無ければ社会という機械は動かないのだし、社会という機械が動かなければ人間は生きていけないのだから。

建前だって用意すればいい。その方が相手も自分も精神的に楽だ。本音でしか話せない世界を誰が望むだろうか。本音でしか語れない者のほうがよっぽど人間らしくない。


蛆虫も蛆虫らしく生きているのだから
人間も人間らしく生きて悪いことなど無いのである。




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