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パレットクラブ日記 第26回・信濃八太郎先生の実技

※パレットクラブスクール「イラストコース」(23期)の授業内容の備忘録です。過去の授業内容はこちら

3月20日の講師はイラストレーターの信濃八太郎さん。事前に実技であること、墨一色で「ニュースを描く」ことが知らされていた。ふだんの制作はほとんどデジタルな床山、久々のアナログ課題に少々ビビリ気味だった。

「ニュースを描く」とのことなので、自分で選ぶなら…?と考え、渡辺直美さんに出されたオリンピックの不適切な演出案のニュースあたりがいいかと思い、顔の描き方を練習したりして予習した。

信濃先生、登場

信濃さんは底抜けに明るい先生だった。故安西水丸さんとの親交が深く、イラストレーターについてとてもお詳しいという印象だ。イラストレーターは絵と自分の両方を磨く必要があると強調されていた。絵がうまいのは当たり前。絵以外の部分を育てて、誰にも負けないものを持つことが必要だとのことだ。営業では絵と人となりの両方を知ってもらうこと。なるべく人には会うこと。雑談も大事だということ。雑誌のイラストで道を切り開いてきたという信濃さん、明るくフレンドリーなお人柄も、お仕事を得る上で大きな武器になってきたのだろうなと感じた。

実技課題

いよいよ実技の時間となった。テーマは「孤独」。週刊誌に載っていた精神科医のエッセイで、孤独をテーマにしたものがあったそうだ。渡辺直美は描けないことになった。画材は自由で、構想から仕上げまで制限時間は30分。スマホで資料を探したりするのはOKとのことだ。

始める前に先生から一言、釘を刺された。孤独というと、部屋の隅で膝を抱えて座っているような絵を思い描きがちだが、イラストレーターとしてそれはNGだという。孤独というテーマで見れば、どんな絵でもそれらしく見えてくるものなので、あまり言葉に寄り添わせすぎず、間口を広げて発想した方がいいとのことだった。
私はまさに、箱の中で膝を抱えて座っている人の図を思い描いていた。これからイラストカットのお仕事などを受ける上で、忘れずにおきたい考え方だと思う。

実技タイムがスタート。構想を練り始める。私は漫画『孤独のグルメ』が好きなので、食事をしているところにしようと思った。孤独な食と言えばラーメンだ。家族や友人と店に入ったとしても、食べている間は完全に自分の世界で、沈黙しながら食べるイメージがある。スマホで参考になりそうな画像を見つけ、ラフ、本画と進めていった。

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ペンと画用紙(シリウス),A4

先生からいただいた感想

・短時間でよく構成できている。
・今風の感じがある。
・描き慣れている感じ。線に味がある。どんどんアナログで描いていくといいと思う。

線に味があると言っていただけたのが嬉しかった。最近はデジタル一辺倒になっていたが、線画だけでもアナログにしてみようか……。私の中の振り子がまた大きく揺れた授業だった。

最後に……着彩版

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墨ベタの部分がなく、画面にメリハリがなかったので着彩した。おしゃれではない、昔ながらのラーメン屋のイメージだ。女性の頭が大きすぎるのが反省点。大事なところは大きくなっちゃうのですね。

いただいたサポートで、少し美味しいおやつを買おうと思います。明日への活力です。