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新・パレットクラブ日記 第3回 菊地敦己さん 「仕事を想定して描く(1)」

パレットクラブスクール24期・イラスト卒業生コースの通学記録です。過去の授業内容はこちら

2021年7月4日の講師は、アートディレクターの菊地敦己さん。お会いするのはイラストコースでの授業以来となる。

事務局からメールでお知らせが来た。今回の課題は、仕事を一つ想定して、そのラフを描いてくること。全3回の授業を通して完成したイラストを、菊地さんがデザインし、制作物として仕上げてくださるという。本の装画でもいいし、みんなが知っているブランドの商品パッケージでもいい。

ついに来てしまった……。菊地さんの課題は、イラストコースにいるときから知っていた。あの菊地敦己さんにデザインをしてもらえるなんて、羨ましい!とキャッキャしていたのは過去の話。いざ卒業生コースに入ってみれば、素晴らしい絵を描く同級生に囲まれて、すっかりプレッシャーに押しつぶされそうな床山すずりのいっちょあがりである。

こんな私が、菊地さんにいったい何をデザインしてもらえるというのかーー。生来の自己肯定感の低さも手伝って、構想を考える状態にすらなれないまま、授業前日を迎えた。

さすがにまずい。少し環境を変えてみる。いつも張り付いている Mac の前を離れ、買ったはいいが放置していた iPad Pro をリビングに設置。気楽な落書きから始めることにした。

私のやってみたい仕事とは……。せっかくなら、ブラッシュアップ中の水彩タッチで描いてみたい。合いそうな媒体というと、ライフスタイル系の雑誌か。「暮しの手帖」の表紙なんて憧れるが、これは第4回に宮古美智代さんが講師でいらっしゃる予定なので、今回出すのは失礼にあたりそうだ。

あとは広告。パッと浮かんだのは、無印良品のポスターだった。何かのキャンペーンではなく、ただ無印良品をアピールするためのポスター。イラストを担当できたらすごく嬉しいだろうと思う。せっかく菊地さんにお願いするのだから、ターゲットは手の届かなそうなものの方がふさわしい気がするし、勉強にもなりそうだ。

媒体は決まった。あとはテーマだ。無印良品というと、お家生活を心地よくおくるためのグッズの殿堂というイメージが強い。家の象徴として、猫を登場させてはどうか? そんな安直な考えでラフを描き始めた。

描いたラフ3点+ポートフォリオ

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描いていくうちに自由に手が走ってしまった。自分でもどうなんだコレ……とは思ったが、恥をかいても、課題を出すことの方が重要だ。ポートフォリオとともに持っていく。足取りは重い。


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講評

床山がいただいたコメントは、以下の通り。

(水彩タッチの静物イラスト)
・描き易いモチーフばかり描いていても進まないので、描くのが難しいものを想定して描いていくといい。(主線が白なので)白いものの表現をどうするか。同じ色の時の境界をどうするのか、とか。
・線の太さにばらつきがあるのが気になる。
・人も描けるんじゃないの? 形の曖昧さがなくなりそう。
(女性のイラスト)
・(以前と比べて)だいぶ違和感はなくなったね。自分の服を描くのは正解。髪の毛など細かいところの処理を考えていくといい。
(課題のラフ)
・これは…何?(失笑)無印良品にこの商品はないね。猫でプロダクトを描かない方がいい。猫が悪いわけではない。
・季節キャンペーンとか、実際にある企画で具体的に描いてみては?
・自分の描きたいものに寄せると面白くなくなる。無印は表情がないので、どこに表情を持ち込むか。
・既存のものに対して、こうあったら面白い、とかこの方向を与えると新鮮になる、などの提案を。

水彩タッチのイラストで、「人も描けそう」と言ってもらえたのが嬉しかった。

無印のラフは、とりあえず見てもらって何か方向性が見えればと思っていたが、存外難しい課題になりそうだ。表情を持ち込む……新しい提案……。まだ何も頭には浮かんでいない。

でも、難しくていいのだ。簡単に済ませてしまっては先生にも無印良品にも失礼だから。スクールの夏休みの間に、いろいろインプットして発想を膨らませていきたい。やっと前向きな気持ちが湧いてきたので、がんばります!




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