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不動産投資と広告・宣伝のあり方

不動産投資をしたいと考えるようになる最初のきっかけは何だろうか…という考えの、ぼんやりとしたまとめを下の記事で書いた。

ネット検索には広告や広告のフリした記事・動画が蔓延っている。それは、広告主の理想通りに話を進めていくための内容で、うそや誇張が多い。

商品やサービス自体、悪いものではない場合も多いが、それでも多くは悪質なものだったり、健康食品など効果が確かか分からないものも多く、サービスだって、別にその辺の業者と対して変わらない。

ネット広告やネット記事などは、不動産会社である私も決して無関係ではない。そもそも、会社の名を売るために、売上をあげるために、広告をするのだから、その行為自体を攻める必要などないという考えは当然だと思う。

当然だとは思うのだが、私はネット広告やネット記事に対して、(明確には答えがまとまっていないのだが)とても気持ちが悪く、あくどい印象を持っている。

それは、私が頭が固く、面倒くさい人間だからであるとも考えている。前近代的な考えの人間なのだ。私はそもそも。

私の小さなお店には今でも、ネット広告系の業者から頻繁に営業の電話やメール、FAXがくる。ホームページを作らないか、不動産関係のポータルサイトにお店を掲載しないか、検索サイトに広告表示させないか…など。

中には、Googleの広告枠の1番上を表示する権利を既に持っていて、それを今なら月額〇万円~〇〇万円で表示してくれるという業者もある。

〇〇町 不動産屋 と検索されれば、必然的に最上位に必ず表示させるのだという。この小さな小さな不動産屋がgoogleという天下の検索サイトの上位で表示されてしまうらしいのだ。

問い合わせが増えて、売上も上がりますよ!凄いでしょう?!と押してくるのだが、ホームページのクリック数は上がるかもしれないが、売上が上がるのかは未知数だ。

広告業者(広く一般的な人にとっても)の「当たり前」「普通」の考えは、広告で世間からの認知数を増やすことが、問い合わせが増え、ひいては売上増に繋がる…というものだ。これは、恐らく経営者になったことがある人(勿論、広告業者やネット広告業者は別だ)の中には、ちょっとした違和感を感じることがあるのではないか。

それは、広告をお願いする側は、当然の話だが、ホームページのクリック数が増えて欲しいのではなく、とにかく売上を上げたいのだ。キャッシュを手に入れたいのだ。この点、営業する側と営業される側に微妙なズレをいつも感じる。

ホームページを作っても、ポータルサイトやネット記事などから、自社サイトのクリック数が増えたとしても、それが真に売上につながるかどうかを、経営者は心配しているのだ。

もちろん、問い合わせが増えなければ、自分の会社が日の目を見なければ、売上に繋がらないのは理解している。

しかし、最近の押しの強い広告業者は、とにかくクリックや見られる数字ばかり強調してくる。それよりも、クリック数や閲覧数が増えるのは当然で、売上に繋がる何かを売りにしない限り、最早、そのやり方には限界が来ているように思う。同業・競業が多すぎるのだ。

私は、「あなたの会社では、このgoogle上位表示枠を使っていないのか?使っていれば、わざわざ電話で営業しなくても問い合わせが増えて、売上も爆上がりでしょうに…」と意地悪く言ったら、電話をきられた。

こういった広告業者側の言い分としては、問い合わせが来れば、必ず売上にするのがあなたの会社の手腕だろう?そこまで私たちに求めるのか?と言うところだろう。

であれば、私はこういったネット広告はうたない。
自分のお店がどのような仕事をして、どのようなサービスを展開して、どんな物件を扱い、どのように管理しているかを、丁寧に示していくしかないと考える。広告業者が押す内容が、私のニーズとは合っていない。

最近のテレビコマーシャルでもサービス名や社名を連呼するものが目につく。クラウドファンディングのキャンプファイヤーとか、ただそれだけを連呼するCMを見たが、どういった使い方があるのか、何を使命として会社が成り立つのかも、何も分からない。

広告というサービスを扱う業者とは、そもそもどんな使命を持っていたのだろうか。どんな理念があったのだろうか。

ただ、人々の目を向かせるためだけの手段、ツール、手法を徹底的に突き詰めて、お金を得る行為なのだろうか。

〇〇大家だったり、noteやYouTubeで不動産投資を煽る人達がいる。

彼らはそもそもどんな使命を持っていたのだろうか。どんな理念があったのだろうか。

ただ、人々の目を向かせるためだけの手段、ツール、手法を徹底的に突き詰めて、お金を得る行為としているのだろうか。

不動産投資を始めたいと考える人で、ネットから情報を得ようとする際、これらの情報が本当に正しいかどうかは常に不安だと思う。

広告の背景がこんなだから、私なら不動産投資関係の情報は、ほぼ誇張や裏の目的があるなと疑って読んでしまう。

これは広告業者が自分たちの存在意義や理念を放り出して(又は考えることを辞めて)、売上・金儲けだけに走ったことに要因がありはしないか…と思っている。

私は、広告という行為は責任とセットになっていると考えている。広く知らしめる行為やそれを補助する側は、広告する内容自体に責任を持ち、人々を混乱や不幸にする企業や内容ではないかを、常に緊張感を持って、調査・判断していくことが必要なのではないかと。

それが、ひいては広告業界全体の信頼と安心を生むのではないか…そう思っている。

不動産投資に関する情報は、今後益々混迷を深めると思っている。それは、築古戸建てを中心に不動産投資が異常な盛り上がりを見せ、今や素人大家が急拡大しているからだ。

彼らは、自分たちの、素人なりの見解や経験をブログや動画、SNSで広めていくだろう。そして、たくさんの有象無象・玉石混交の情報を乗り越え、少し名が広まれば、〇〇大家としてプラットフォーム内で紹介・広告され、さらに情報が拡散される。

〇〇大家に悪意が合った時、この紹介・広告したプラットフォームや業者達は自分たちも被害者だと言うのだろうか。言うだろう。

これは今までの自己責任論から、何ら進展していない。もし、紹介・広告することで被害者を増やしたのなら、そうしない仕組みが求められているはずだ。そこに広告業者に対するニーズは必ずある。

広告業者が次のステップに行くためには、自分たちのブランドが公正で人々にとって益のある情報を選別して、丁寧に紹介・広告していることがアピールポイントになるのではないか?

そういった業者なら、私は喜んで広告して欲しい。

日本は資本主義社会だ。金儲けは悪くない。ただ、安易な金儲けではなく、社会にとって良い影響を与えた対価としてお金を得ることが認められる風潮なのであれば、それに越したことはないではないか。

かの有名な渋沢栄一先生も「論語と算盤とは一致すべきもの」とおっしゃっているではないか。

そういった考えがあり、私はこのnoteというプラットフォームは、クリエイターの為にあるという理念に反した行為をし続けており、悪意があるプラットフォームだと考えているが、これはこの話の中では蛇足だった。

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