秋入日憂いたちまち溶けてゆく
相棒とドライブにでかけると、必ず喧嘩になる。
喧嘩のタネはさまざま。
心を許していればこそ、優しさや気遣いを忘れて本音をぶつけてしまう。
わかっているけど、もっとわかってほしくて続く意地の張り合い。
ほんとは、相手に機嫌をとってほしいのに
敵もさる者、私が気まずさに根を上げて
甘えてくるのを、黙して待つ模様。
そんな二人のくだらない意地の張り合いは、
だいたい日没のころまで続く。
「わ!見て見て!きれい!」
あまりの夕日の美しさに、意地を張っていることも忘れて、私は叫んだ。
「写真撮る?」
海辺の道の駅に車を停めて
二人で夕日を見ていると、
喧嘩していたことなんかどうでもよくなる。
いつものパターン。
日没に合わせて西海岸を走る
相棒の作戦勝ち。
ま、どうでもいいけどね。
秋入日憂いたちまち溶けてゆく
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