自学自習の芽が出るかー俳句は自得の文学

 ある落語家は、3年以内に、入門者の資質を見て「落語家になれる見込みがないから、そろそろ辞めなさい」と引導を渡すことがあるそうだ。

 私は、出入り自由の超結社句会を運営しているが、各人の俳句の資質がよく分かる。俳句に向いていないのは、句会以外での勉強が習慣化できない(自学自習の芽が出ない)者である。

 いずれ生活環境の変化(転居、家族の介護など)にともない、対面式の句会には年に何回も参加できなくなる。この時に、自学自習の習慣が定着していない者は、郵便出句にスムーズに切り替えられず、句会を退会。遅かれ早かれ結社も退会し、結局、俳句そのものを辞めてしまうのである。

 このような退会のパターンは数えきれないほど見てきた。俳句の基本が分かっているにも関わらず、「郵便出句だけでは勉強できない」という者は、最初から俳句に向いてなかったのである。

サポートは、句会の勉強会で使っている本代などにあてたいです。 (二つの対面式句会と三つの通信句会を運営中)