夜のドライブ 【短編小説】
友人が夜のドライブがてら星を観に行こうと言うので、軽い気持ちでいいよ、と答えた。彼は昔から夜空を見上げるのが好きで、僕はそれによく付き合わされていた。
二十一時ちょうどに家まで迎えにきた彼の車に乗り込み、助手席のシートベルトを締める。彼はいつになく上機嫌だった。今日は雲がないので星が綺麗に見えるはずだと笑いかけられる。「ああ」とか「へえ」とか、そんな生返事をした。僕はそれほど星に興味はなかったからだ。
それにしても眼鏡が邪魔だ、本当は裸眼で星を眺めたいんだ、と熱心に語る彼の話