”絵柄が古い”という言葉の意味をちょっと真面目に考えてみた

タイトル通り、絵柄が古いって言葉を最近よく聞くのですが、ちょっと調べてみたりしても未だにピンとこないというか理解できません
調べてみた所、分からなくても別に困らないもののようですけど、自分なりに考えてみました


この言葉を使う人って悪口と批判の違い分かってないよね問題

”絵柄が古い”を描かれた時期が昔だから、というわけではないらしい
「自分的に気に入らないけど具体的な指摘がきない絵をさして言う言葉」らしい

まぁ「言われたら、全無視して良い」と言われるのは分かる、耳を傾ける必要なんて欠片もない

「文句言うなら最低限嫌いな理由くらい解析してこい!そもそも理解しようとして初めて意見や批判が成り立つんだから、”理由はよく分からないけどなんか嫌い”すら言わずに、無理やり“指摘”にしてる時点でただの悪口で、相手にするだけ時間の無駄」私はそう思う

そもそも昔に描かれた絵は今の絵に劣るのか?

※2024年6月23日
自分自身の偏見や勘違いもあったので書き直しました

要は適当な悪口として”絵柄が古い”と言われているなら、なんでそういう言い方するんだろうか?それが1番解らない

自分はpixivで二次創作イラストを見たりすること結構あるんだけど、関連イラストを辿って絵を見ていく事が多くて、そのイラストの投稿日の大半が2000年代や2010年代
古いRPGゲームやアニメの二次創作をよく見てる

絵柄の好みなんて人それぞれだし、それこそ10数年レベルだと対して変わったように見えない

ただ、10年以上前よりも、見た目は凄くきれいなんだけど「キレイだね」以外の感想がなく、印象に残らない、つまらない絵に遭遇する事がもの凄く増えた

とはいえ、ジャンルと各キャラの性別によって相当変わるんだけど、一次、二次問わずイケメン男性を描くことが多い女の人向けより、10代後半から20代の女性を描く事の多い男性向けになると、その率が圧倒的に跳ね上がる

むしろ萌え絵と言われる女の子イラストの”見た目だけキレイ感”と”何処かで見たような…感”多すぎるの、本当何でだろう

女性向けというか男性のイラストだと”キレイだけど印象に残らない絵”って、清々しい位に人気ジャンルを渡り歩いてる、元々上手かった人が描いてるケースが多いけど

そういや、私と同じイラストを練習始めたばかりの人の描くイラストって女の子がほとんどだし、面長で黒目が小さいイケメン男性って案外描くのが難しい説は案外あるのかもしれな

あと面長で目の小さいイケメンは漫画絵だけでなく実物を参考にしやすいので、実物も参考にして描ける人は、技術以外も上達しやすそうだし、てっとり早く評価されたい人ほど萌え絵を描きたがる説は結構ありそう

今時のイラストでくくるのが失礼だと思って、書き直したら大幅に話変わったあげく、趣旨ずれた感があるけど、まぁいいか(オイ

SNSとデジタルツールに振り回されて失われたもの

自分が10年以上前のイラストの方が安心して見られる理由を考えると大きく二つあるのかな

1つは、デジタルでもアナログを経験してる絵描きが多いこと

2つは、SNSがまだ穏やかで、いいね集めゲームと化していない事

絵を描く上でデジタル、アナログどっちがいいか理論は色々あるけど、最初からデジタルのみで絵を描いてる人と、アナログ経験者とで大きく差がつくのが色の使い方だと思う

デジタルイラストで色の使い方が素敵って思えた人の過去のイラスト探すと、結構高確率で水彩で塗ったイラストが見つかったりする

デジタルにしろアナログにしろ道具の違いにすぎなくて、ただ道具が便利になりすぎて、ある程度描けるようになったら、ソフトで体裁をものすごく整えられて、一見ものすごく上手く見せることが出来るようになって、そこにばかり力を注ぐ事になってる人は多いと思う

私は大人の塗り絵を始めた頃「〇〇の塗り方」で調べると、9割位デジタルイラストの記事で、影色と付け方さえ分かればいいや、と結構デジタル塗りの講座見てたけど、ものすごくマニュアル化されていて、ドン引きしたんですよね

確かに光がキラキラしてキレイだけど、マニュアル通りにしたらこれだけ見栄えが出るなら、そりゃあてっとり早くきれいな絵を書きたい人は、自分なりの試行錯誤して失敗するよりマニュアル通りを選んじゃうよなと

水彩、特に透明水彩は2つの混色
水を介して絵の具を混ぜて色を作る混色と、塗った色の上から色を重ねて色を作る重色、どちらも使える数少ない画材で

色を混ぜて作るって、色を知る際にとても重要で、色を分解を感覚的に理解するには混色が1番分かりやすい

デジタルイラスト描いたことないからよく分かんないけど、スポイトで色を取る、カラーピッカーで色を取る、透明度○%で乗算とかやってると、ぬりえで欲しい色を探して塗る人と同じで色を分解できるようにならないと思う

この”分解できる”ってのは色に限らず大事な事で、これができないと比較検討や構造理解が難しくなる、逆にこれができると物事が理解しやすくなるものなんですよ

色は結構知識が物を言うけど、その知識を活かすにはその色を理解する、そのために色の分解ができないと結構厳しい
分解する、という事は要素ごとに分けることが出来るから比較検討しやすい、配色を知った所でその色がどのグループに属しているのか分からないと、上手く組み合わすことができないんです

例えば、色鉛筆24色に入っている赤と朱色と紅色の大きな違いは何でしょうか?

小学校の時使っていた12色の水彩絵の具で群青色を作るにはどうしたらいいでしょうか?

最初からデジタルオンリーで絵を書いてる人で答えられる人少ないんじゃないかな
(群青色はJIS慣用句名にあるので色彩検定の本読んでる人は分かるかも)

この違いが分からないと、青の代わりに群青でいいよねと変えたら、なんか違う…となってもどう修正していいのか解らない

アナログの大人の塗り絵なんかは混色しない主義の人って使える配色が限られて、いつも同じ様な配色になりがちで、色の扱いの差が顕著に出るので、混色が出来ないデジタル塗りしかしたこと無い人にも同じことが起きていると思う

あと、承認欲求云々は…結構これだけでなく色んな問題の根幹にあるというか…後で語るので今は置いときます

自分が苦手な絵柄に”マスピ顔”という名前がついていた話

絵柄の好みは色々あると思うんですけど、自分が凄く苦手な絵柄がありまして、今回調べていた時にその絵柄に”マスピ顔”という名で呼ばれていると知りました

マスピ顔というのはAIでイラスト生成する時コマンドで{Masterpiece(傑作)}といれた時によく出てくる顔の事らしく、人が傑作だと思った絵の平均みたいな感じらしいのだけど

何処見てるか解らない、生気が全く感じられない、アニメなどのアンドロイドキャラとは違う、人工物を感じる気持ち悪さ、AI出力だとその気持ち悪さが際立つ、これが”不気味の谷”というやつなのかな

ただ、AIよりは大分マシだけど、人の描いたイラストでもそういう印象を受けるイラストに結構遭遇することがあって、その時はなんか分からないけど自分の中で苦手な絵柄になっていたけど、逆にAIがオーバーにしてくれたおかげではっきり自覚できた感じ

この原因を考えると”描いている人間が、表面的な物しか見ることが出来ず、表面的なものしか描くことが出来ない、人を描いていない”のだと思う

人を描きたい、自分のイメージを伝えたい、じゃなくて評価される、見栄えのいい絵を描きたい、そしてデジタルツールを便利に使うというより、体裁を整えるのに使いすぎて人工物さが目立ちすぎて不自然

見た目は綺麗、でもきれいなだけの絵が素晴らしいと思えないんだよ
技術が多少拙くても、なんか好きだなと思えるイラストの方がずっと見てて楽しい

トレンドを取り入れないイラストはダメだと思わないとやってられない人々

…むしろ、ここまで今時の流行りなイラストを好きになれない理由ばかり語ってる気がするので、そろそろ怒られそうな気が…

怒られついでに、これを書きながら気づいたことなんだけど

悪口に古さを上げる理由がどこかにあるはずで、そう考えると”絵が古い”が悪口になるのは、絵が古い≒ダメという考えを持っている人が多いからだと推測出来る気がするけど

別に90年代に流行ったイラストが好きで今でも描き続けても本人が楽しければそれでいいし、わざわざこんな悪口にするほど嫌う理由ってなんだろうと考えると

トレンド(流行り)を取り入れないイラストがダメだと思う人が一定数いて、そういう人たちが使った言葉なのかもしれない

トレンドや他人ウケを取り入れすぎて、他の絵描きのイラストと似たりよったりになってしまい、いわゆる”ハンコ絵”になってしまった人ほど、トレンドから外れる事を恐れていて、そのトレンドを外れた人を認められない気持ちが”絵が古い”という悪口を生み出したのでは、それなら意味が通るかも

2024年6月22日追記
普通に「今時こんなの流行らないよ((笑)」という批判のふりした悪口で広まった方が自然かも

とはいえ趣味だったら「なんで流行りに合わせてあげなきゃいけないの?」とは思うんだけど

流行って1周回って返ってくるもんだし、過去に流行った絵を今も好きな人はいるんだし、ニッチな層を狙っていく方法だってあるよなぁ、万人ウケするような作品ばかりじゃつまらないよ

ここまで言うと……流石に怒られそうな気が…
正直私、批判的な記事を書こうとしてこれ書いたつもり無いんだけどな、蓋を開けたら肯定的な意見が出てこなくて本当困った…なんで?(お前が聞くな)

AI生成イラストには元のイラストの著作権問題などがあるけど、それを差し引いてもきっと生成AIの勢いは止まらないと思う

生成AIが流行る前から、あらゆる所でイラストは溢れていて、AIが出力するイラストが加わり、うわべだけキレイなイラストはもっと溢れるだろうと思う

流行りと需要でより多くの評価を貰うためのイラストより、少数でも誰かに”なんか好きだな””この人の絵をもっと見てみたい”と思ってもらえるイラストが描く事を目指したほうがきっと幸せだと思うんだけどなぁ、承認欲求っはほどほどを過ぎると毒にしかならないんで、私はマイペースに自分なりのイラストを探していきたいと思います

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