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死せる者

陽光は既に頭上で死に絶え、
斃れては熄える、森の彼方。
おれは依然生きるが陰鬱に嘔吐し、
胃痙攣の脈拍、心臓の塀を越え行く。
荒野の冷たいほとぼり、頬と胸刺し、
蝟然、歓喜に満ち満ちては霞む壁。
肉体は虚弱の皺として時刻まれ、
岩木の冷徹はなお火照りの瞋恚を持つ。
喒は軈て丁男の諦観垣間見る人形ひとかたが如く、
生径果て、無情を讃えて絶無に帰す。

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