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27歳、なりたいと憧れる人

私はミステリー小説『姑獲鳥うぶめの夏』に出てくる、探偵役の京極堂きょうごくどうに強い憧れを抱いている。

京極堂は、とにかく博識な男だ。作中ではよく彼のうんちくが長々と披露されるのだが、そのうんちくがたまらなく面白い。分かりやすくて、興味深くて、詳しくない業界やジャンルの話でも、彼が喋るなら聞きたいし、彼というフィルターを通した世の中を知りたいと知的好奇心を唆られる。

1聞かれたら、100の知識を披露できる。
京極堂はそんな人間なのだ。

いつしか、私も彼みたいになりたいと思うようになった。物知りで、知性がずば抜けて高い、京極堂みたいなかっこいい人間になりたい。私も、うんちくを披露できるぐらい博識になりたい。

今の私には経験と知識が足りない。けれどどちらも自分次第で変えていける。経験は、蓄えていけばいいし、知識は身につけてゆけばいい。

――ということで、今年から新書を読むようになった。

これは元々、小説執筆の際の下調べの参考文献として購入したのが始まりだったのだが、こんなふうに普段手に取らないものを手に取ることが、たぶん、自分の世界を広げてくれるはずで、世界を広げて知識を深めた先に、京極堂のような人間になれる世界線が待っている気がする。

知識を深めることは、その人自身の人生や脳みその奥行きをより深くしてくれる気がする。私は、自分の書く小説をの世界を奥深いものにしたいと常日頃から意識しているし、私自身も奥行きのある人間になりたいと願っている。

身につける知識は、今すぐ何かに使えるような即効性のあるものでなくていい。なぜなら、知っているだけで、触れているだけで未来の自分の可動域が広くなるからだ。

可動域を広くすると、そのぶん私は自由になれる。自由こそが私の作家としての何よりの喜びだ。だから私は学びたい。もっともっと、まだ見ぬ世界を知りたい。

知らないことを知るということ。知ることを、楽しむこと。

そういう行動の積み重ねが、きっと、京極堂みたいに世界を面白く見渡せるような、かっこいい人間になれる道に繋がっているから。

京極堂みたいな人間に、私はなりたい。
奥行きのある人間に、私はなりたい。
奥行きのある物語を、私は描きたい。

もっともっと自由に、描きたい。
自由への枷は、無知と未経験だ。
だからもっと知ろう――世界を、世の中を。

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