彼女in俺　#呪いの臭み　#毎週ショートショートnote　#シロクマ文芸部

文化祭の後、彼女から告白された。
彼女は黒髪ロングヘアーの可愛い子だった。

彼女が毎日作ってくれる弁当を
一緒に食べた。
煮込みハンバーグ、混ぜご飯、
健康を気遣って、ひじき煮が
毎回入っているのが嬉しかった。


大学が別々になったのを機会に
同棲を始めた。

TVでみた女優を可愛いと言ったら
怒った彼女に、髪型が可愛いって
言ったんだよと誤魔化した。

翌日、帰ってきた彼女は女優と同じ
明るいウェイブヘアーになっていた。

その日から弁当の中身の
唐揚げやハンバーグの色が
明るい色に変わった。
毎回入っていたひじき煮が
弁当から消えた。

作ってくれる料理は美味かったが
弁当を断ってから、しつこく朝食と
夕食は家で食べてと言われるようになった。

喧嘩の末、別れる事にした。

俺は気まずくて、友人宅に泊めてもらった。

翌日部屋に帰ると
ショートヘアの彼女がいた。

「ずっと貴方の中にいたい」
そう言って手渡された弁当箱。

俺は呪いの臭み漂う彼女の弁当箱を
開ける事ができなかった。

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【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか？』お題発表！9/17｜たらはかに（田原にか）

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