二億斉藤 #二億斉藤 #毎週ショートショートnote #ショートショート
『コント!二億斉藤!!』
始まった俺達トリオの
コントを見ているのは
客席に座った女性2人。
しかも、次にでてくる
『細マッチョ加藤』のファンだと
知っている。
それでもコントを続ける俺達。
客席の一人がスマホをいじり出した。
本来劇場でのスマホは禁止されている。
「それじゃぁお前が二億斉藤か!」
「んなわけあるか!」
「「ありがとうございました」」
コントが終わり楽屋に戻る。
2人とはいえ、ファンがいる加藤が羨ましい。すれ違う時に無視される悲しさ。
「やっぱりオチが弱いな」
「じゃぁ三億野村にするか?」
「そこじゃねぇよ」
「じゃぁどこだよ」
楽屋で漫才を始める2人。いつもこんな感じだ。舞台より楽屋の方が面白いような気がする。
そのまま、漫才に転向してみればいいと提案してみる。
「コントより2人漫才でやってみろよ」
俺の言葉が宙を舞う。
2人には届かない。
まだ俺の死を引きずって
トリオを名乗るコンビの2人。
二人佐藤に注目が集まるまで
まだ数年かかりそうだ。
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