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私たちは生まれる家を選べない だから生きながら生まれ変わりたい

アーティストの内田すずめです。

私は生まれ変わりたい。死んで転生するのではなく、現世で生まれ変わることができたなら。傷ついた子供の頃の自分を抱きしめて私たちは大人になっていく。  「転生」内田すずめ 紙に鉛筆、墨 2015年

子供の頃から理不尽に思っていたこととして、「産まれてきたくて産まれてきたんじゃないや」というのがある。誕生することが自らの意志で選べないならせめて、国や両親をチョイスして産まれて来られたら良いのに、そうした選択制度はおそらく用意されていない。

地球が誕生したのは今から約46億年前、そして最初の生命が誕生したのは約38億年前。そう考えると人ひとりの人生なんて砂粒みたいなものだ。the pillowsのストレンジカメレオンの歌詞に

時代ははしゃぎまわり 僕とキミのすごした ページは破り去られ 歴史には価値のない 化石の一つになるのさ

とある。だが、宇宙の歴史からしたら人間の記憶なんて化石にすらならないかもしれない。でも、上の歌詞にはこう続く。

ああ キミと出会えて良かったな

砂粒のような人間ひとつにだって、意志はあって、出会ったり別れたりしている。自分という存在がこの世に産まれて来たのは必然なのか、ゆらぎなのか。生きていくことに意味があるのか無いのか。それを決めるのは他人ではなくて自分の心ひとつなのだろう。

私たちは自分の意志で生まれてきたわけではない。だが、自分の選択で人生は変えられるはずだ。

そう思うと、大人になるってなんて自由なんだろう。子供の頃は自分の家庭が全てで、そこからはみ出すことが許されなかった。大人になった今だからこそ、自分を変えていけると信じている。

もうひとつthe pillowsから引用すると、Funny Bunnyという曲に以下の歌詞がある。

キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで 走ってきた

せっかく生まれて来てしまった今生なんだ。大きくても小さくてもいい。夢を描いて叶えたい。

とりあえず直近の夢・目標は、自分の子宮の音を録音してコンサートを開くことだ。私たちが生まれてきた場所の秘密を解き明かすぞ。絶対やるからな。





最後にお知らせです。月刊美術3月号に巻頭インタビューを掲載頂きました。その文字数なんと3500字。
美大以外の大学へ進学した理由、会社を辞めてコレクターになってから作家デビューまでの道のり、ヨウジヤマモトさんとのコラボレーション。「私の芸術は遺伝子の闘いである」と考える理由について話しています。
作家ってこうやってなるのね、という一例としてご覧頂けましたら幸いです。

内田すずめ instagram, twitter, facebook


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私は作品を通じて「生きながら生まれ変われる」ことを証明したいのです。そのためには「命のありか」と「心のありか」を解き明かさなければなりません。2020年は自分の子宮の音を録音する予定。いつか子宮コンサートを開きたい。頂いたサポートはそれらの研究費用とさせて頂きます!