青と夏の恋心

夏の定番曲ならMrs. GREEN APPLEの『青と夏』を思い浮かべる。

この曲の発表が2019年なので確かに今から5年前の夏、私は婚活に勤しんでいた。
婚活パーティーの会場で、必ず流れていたのがまさにこの曲だった。
行けども行けども『青と夏』が流れてる。
行けども行けどもとは、週末土日ともに参加、同日2回、週3日以上で、その夏20回以上は参加した。
何回も行くぐらいだ。
お付き合いまでする相手は見つからない。
途中からは、何処かの会場でお会いしましたよね、というメンバーになってくる。
私の恋心、いや、恋したい心が『青と夏』の曲で最高潮に盛り上がっているのに、だ。
こぅ、頭の中がお花畑になる事はない。
ここで断っておくが、婚活パーティーも決してバカにしたものではない。
色々した婚活を振り返ると、がっかりした、なんてことは一度もなかった。
少なくとも私は5回程、マッチングした相手と食事に行っている。
短時間で盛り上がった相手は、案外短時間でしか続かなかったということがあって連絡をお互いしなくなってしまったが、その時はとても楽しかった。

残念ながら、2019年の夏は、『青と夏』をバックに恋をすることなく終わった。

さて、翌年、春先に夫と出会い、よく食事に行くようになった。
夏になり、昨年の流行ソングではあるが『青と夏』がちょうど良くバックで流れる。
あぁ、まだ私、恋してない。
そんな焦りも抱いていた。
夏の終わりには、婚活を諦めよう。
そんな決意までした。
ところが、

「僕、補欠の補欠ぐらいでいますよ」

んっ？どういうこと？
えっ？私はありかなしかだったらありってこと？
えぇ？私のこと、好きだったの？
純粋に驚く発言を、現在の夫で、まだその時、友達だった彼がした。

そこで急展開。
私、この人のこと、好きかも。
えっ！一緒にいてバカな事でも笑ってくれて、長時間いても楽しい！
これって、恋！！！？？？
アドレナリンがドパーッと出て、私は恋をした。
相手が自分を好きって分かったら私も好きになった。
好きに気づいた。
私の脳内では、『青と夏』が流れ出す。
こうして、私は、夫とお付き合いを始めた。

面白いもので、毎年この『青と夏』が流れると恋した気持ち、夫を好き、と思う。
思い出の改変をしているような気もするが、このワクワクするような躍動感のある気持ちを毎年楽しみに待っている。

#夏の定番曲