【小説】#34 怪奇探偵 白澤探偵事務所|入れ替わりの鏡
あらすじ:蔵の整頓をする中で見つけた鏡台を事務所に持ち帰った白澤と野田。何かが視えるという野田に、この鏡に何があるのか確認しようとするが――。
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花が咲いたと思えば散り、気付けば緑が眩しい季節になっている。日差しの強さはもうすぐに夏が来ることを教えてくれているが、それでもさわやかな風が心地よく十分過ごしやすくもある。過ごしやすくて心地よい瞬間の短さに、もう少し続いてくれはしないものかとぼんやり思う。
春先は、白澤探偵事務所でも数少ない閑散期である