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「個人」が責任を取るべきでない:NewsWeek誌「検証日本モデル」

6/2発売NewsWeek誌(日本版)。
西浦教授のシミュレーションに関する「ご自身の」解説、加えて「5/26」の専門家との対談が掲載されています。
十分に時間をかけることができるけど、タイムリーさには欠ける月刊紙や特集番組
即応性はあるけど、センセーショナリズムに侵されて、正確な情報伝達ができないワイドショー
…なんかに比べると、このタイミングでこの内容は、「頑張ってるな、News Week」って印象。

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まあ、シミュレーションの内容については僕はコメントできません。
難しいもんw。
基本再生産数の考え方、シミュレーション(42万人含む)の意味、その後の経緯、最新の情報を踏まえた評価etc、etc
色々言ってる人は、まずは確認された方がよろしいかと。
「緊急事態宣言前には再生産数は〜!」
…とか、そんな単純な話じゃないっす。
(ここら辺は岩田さんも丁寧に指摘されています)



本当に西浦さんって真面目で誠実やな〜と思うのは、「42万人」に関して実に丁寧に、「反省」も含めて語られていること。


<最後に、「42万人死亡の推定」という発表に立ち返り、モデリング結果を伝達する上で欠かせない別のコミュニケーションの課題について考えたい。死亡の被害想定のような、社会に大きな影響力を持つ数字は、やはり諸外国のような政府機関の代表者(首相や厚労相、少なくとも科学顧問の役割を担う方)に発表いただく必要がある。
(中略)大きな方向性の決定を伴う発表は、リスク管理の司令塔の役割を担う方の責任で行われるべきものだ。被害想定が必要な時期に、タイミングを図って励ましとともに行っていただくことが必要だ。
(中略)他国で感染爆発が起き一部制御不能になった状況を見る限り、あの時点では、仮定であれ「何もしなければ」という厳しい流行シナリオを提示することがどうしても必要だったと考える。>


本来は「政府」がやるべきこと。
だがその必要性と緊急度から「自分」(あるいは専門家会議)がその役割を担った。


<一方で、誤解がないように励ましを含めて皆さんに周知する、という工夫はもっとできたはずだとも感じており、今からでも取り組む価値のある課題だとも思う。>


数々の個人への批判を受ける中で、こういう風に書くのは誠実であり、勇気のいることだと思う。
「取った責任なら最後まで取れ」
はその立場にもなく、その重みも背負ってない外野の言い分。
責められるべきは、背負うべきを背負わなかった「政府」であり、その責任を「個人」に押し付けることは絶対にあってはならないことだと考えます。
そんなことしてたら、誰も志高い仕事なんかしなくなるよ!
(ここら辺の逃げ腰が見透かされて、安倍政権の「コロナ対策」は評価されないのかもね。今のところは素晴らしい成果を見せてるにもかかわらず)


今、段階は「感染対策を講じつつ、経済を回していく」という段階に入っています。
メインアクターは「経済学者」「政治家」に移っていると言っても良いでしょう。
その中で、感染対策の専門家会議や西浦先生のように、責任感を持って、志高く。、透明性を持って、コミュニケーションをできる限り丁寧に取るアクションが彼らにできるのか?
「日本」が次に問われるのはココでしょう。


<他国の事例を見る限り、クラスターは再び生じるものと考えられる。一つ一つの技術的側面に関して、皆さんと共に賢くなっていきたいと思う。>


そういう局面が来ないことが一番なんだけど…とは、どっかで願ってるんですけどねぇ…。


#newsweek

#西浦博

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