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腹の出たエディ・マーフィーが楽しませてくれます:映画評「ルディ・レイ・ムーア」

ネットの評でちょっと評判になってるのを読んで、
「久しぶりにエディ・マーフィーに笑かしてもらいますか」
と観たNetflixオリジナル映画。
いや、これが拾い物。

ルディ・レイ・ムーア


70年代に活躍した実在のコメディアン&俳優の伝記映画です。
全然知らない人ですがw。
ただ80年代のラップ・ミュージシャンに影響を与えた人物のようですね。
それを踏まえてか、音楽が実にセンスよく使われています。


物語導入時点の「コメディアン」として成功するクダリ。
まあ「成り上がり」物語は楽しいのですが、肝心の「スタンドアップ・コメディ」の部分は、ちょっと面白さがわからないw。
ラップに影響を与えた…ってことからも、スラングをテンポ良く、畳み掛けるように…ってとこが受けたんでしょうが、僕の英語力ではとてもとても…って感じでした。

ただ序盤を過ぎると、それも気にならないです。
知恵を絞りながら成功していく過程から、一転して「映画製作」に乗り出し、よく分からないながらも、試行錯誤を重ねながら、浮き沈みありながらも、最後にはスターダムに…
って物語は実に楽しい。
そしてその中で、とにかく前向きに頑張る主人公の姿が「エディ・マーフィー」とも重なり、絶妙なフィーリングをもたらしています。
個人的には「エディ・マーフィー」の最高作ですね、これは。


スパイク・リーが「グリーンブック」を批判してて、それはそれで分からなくもないんですが、黒人対白人を明確に打ち出さなくても、本作はしっかり「黒人がマイノリティであること」ってことを表現できていると思います。
それでいて、結構深い。
「笑かしてもらう」つもりで見たんですが、(結構笑えるんですけど)「それだけじゃない」んですよね〜。


しかしまあ、(本編にも出てきますが)「ルディ・レイ・ムーア」の作った映画。
ヌルい、ヌルいw。

https://youtu.be/XIHYxECYlik

それがなぜこんなに受け入れられたのか?
そこにはエンタメ界における黒人文化排斥の傾向が見て取れますし(「フロント・ページ」、僕は嫌いじゃないけどw)、「映画」のあり方に対する考え方ってのもあります。
いま、「マーベル映画」についてアレコレ言われているのにも通じる話ですが…。

ここんところ冴えない感じ(と言うか、日本じゃ完全に忘れ去られてたに近いw)エディ・マーフィー。
見事な復活です。


#dolemite

#eddiemurphy

#netflix

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