なんだか優しいね(顔は怖いけどw):40周年特別公演 立川談春独演会「たちきり」「お若伊之助」
40周年記念公演ということで1月から十ヶ月連続公演。
…なんですけど、すみません。全部は無理です。
まずは3月公演にお邪魔させていただきました。
「たちきり」「お若伊之助」
「たちきり」は上方落語ですね。
でもって、「芸人」というのが共通のテーマでもあります。
かつて生産活動にたずさわらない「芸人」は一段低い存在とみなされて差別されていた
その「芸人」と身分違いの男女との関わり
テレビのコメンテーターとして「一般の人の意見」を述べるようになった<芸人>の今に対するちょっとした違和感なんかも口にされておられましたな。
良い悪い…じゃないけど。
<たちきり>
置き屋の娘で芸者の小糸に惚れ込んだ商家の若旦那。
あまりの入れ込みぶりに両親と番頭は若旦那を100日間、蔵に閉じ込めて改心させる。
小糸から若旦那に毎日手紙が届くが、80日で遂に手紙は届かなくなる。
100日が過ぎ、置き屋に駆けつけた若旦那は、小糸が思い煩いで80日目に若旦那が作ってやった三味線を抱えて死んだことを知る。
後悔をしながら線香を上げる若旦那の耳に、小糸がつまびく三味線の音が届く…
僕自身はそんなに聞いたことがない噺。
上方じゃ大切に思われていて、米朝さんの教えがないとかけらない…ってこともあって、あんまり聞く機会もないのかしら?w
その日の朝に思いついて変えた
…と談春さんは言ってましたが、どこを変えたのかなぁ、と。
やっぱり置き屋の女将さん(小糸の母親)のところかな?
花街の恋なのだから、小糸に思い切らせなければならなかったのに、自分も一緒に<夢>を見てしまい、思い切らせることができずに死なせてしまった後悔…
三味線の切ない美しさに泣かされました。
<お若伊之助>
日本橋の大店の一人娘・お若は一中節の師匠・伊之助と恋仲になってしまう。
そのことを母親に知られ、二人は別れさせられ、お若は母親の兄で剣客の長尾一角の根岸の屋敷に預けられる。
ある日その根岸の屋敷に伊之助が忍んで通ってきていることに一角は気づく。
しかもお若は妊娠をしている様子。
伊之助を紹介した鳶頭の初五郎を呼び出した一角だが、初五郎は伊之助が忍んできたという夜には初五郎と伊之助は一晩一緒に飲み明かしていたことを告げる。
不審に思い、その夜、お若の様子を伺う一角と初五郎。
夜更けに確かに伊之助が通ってきたことに驚く初五郎だが、合点のいった一角はその伊之助を銃で撃ち殺す。
改めて見ると撃ち殺されたのは大狸であった。
お若はその後双子の狸を死産し、
「因果塚由来の一席」
とストンと終わっちゃうのを、談春さんは「その後」を付け加えて演じられました。
まあ、元々「因果塚の由来」ってのは延々と訳のわからない話が続くようですがw、それとは別に「お若」と「伊之助」のその後を語り、怪異に取り憑かれたお若を救う話にしてくれたんですよね。
うん。
これでこそ「お若伊之助」だなぁ、と。
「たちきり」も「お若伊之助」も、ある意味、<今>の時代を踏まえてのアップデート。
それが良いのかどうか、受け入れられるのかどうかは分かりませんが、僕は「これはこれで良いな」と思います。
グッとくるもんは、やっぱりありますからね。
談春さんの顔は怖いけどw。
4月には寄せさせていただく予定。
「よかちょろ」「百年目」
事前勉強しとかなきゃな。
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