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確かに「新しい形」ですね:劇団ノーミーツ「むこうのくに」

昨晩は劇団ノーミーツの第2回公演「むこうのくに」を視聴しました。
第1回公演の「門外不出モラトリアム」の評判も聞いてたし、本作も「いいよ」との情報は入ってたんですが、
「まあ、そこまでは」
と思ってたんですけどね。
なんか感染者数が増え続けてる状況なんかもあって、
「見てみるか?」
と翻意して、追加公演のチケットを前日に入手しました。
ま、こういうとこ、ストリーミング配信の良いとこですねw。

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結論から言うと、予想以上に面白かったです。
上演時間は150分くらいですが、全然退屈しませんでした。
(事前に「約140分」と案内があったときは、「長ぇな」と思ったんですがw)
スクショもOK、見ながらチャットも、ってのも楽しい。
最初は「あんみつ」食べながら、そのあとは「白ワイン」をおともに楽しませてもらいましたw。

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形式としては、ネット画面をベースに物語が展開するのはジョン・チョーの「サーチ」、デザインや世界観的には細田守の「サマーウォーズ」をイメージさせるかな?
それをリアルタイム配信で、ここまでのレベルでやれてるってのが驚きです。
演出・演技も、<仕掛け>に頼るのではなく、「演技」で見せてくれます。
(「全身の動き」じゃなくて、「表情」で演技するってあたり、ちょっと「映画的」「テレビ的」かな?)
先日視聴した三谷幸喜の「大地」が(ソーシャルディスタンスに配慮しつつも)旧来の「舞台」を意識した配信であったのに対し、本作はストリーミング配信を前提とした「新しいもの」を作ろうと言う意欲に溢れているし、それに成功していると思います。
どっちがいいって話じゃなくて。

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個人的趣味でいえば、作品テーマ(ネット社会の功罪、リアルとネットの価値観、人間関係(トモダチ)の意義…あたり)はもうちょっと深掘りしても良かったんじゃないかなって気もするし、ネット人格を取り上げるなら、複数アカウントやコピーの問題やそこに生じる多義性なんかにも踏み込んで欲しかったかな?
まあ、そんなことやってたらワケワカランって話になっちゃって、いい意味で本作が持ってるエンタメ性が損なわれちゃうかもしれませんがね。
「投票」機能でのインタラクティブ的な仕掛けについては、面白いですけど、もっと工夫されてもいいと思います。


でもまあ、作中人物にある程度の思い入れをしてしまう素晴らしい出来であったのは間違いありません。
「her」のように、ラスト、「コピーしたAI(レイン/リィン/鈴)」をスマホに入れて、一緒に部屋から出ていく…なんてのを夢想したりしてましたw。

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第3回公演はあるのかな?
感染の広がりで、舞台公演のハードルが上がってる中、こう言う舞台の「ありかた」は模索されてもいいし、ノーミーツは確実に成果を上げてると思います。(今回、1100人、動員してますしね)
あったら、多分見ると思います。
…っつうか、結構楽しみw。

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*「舞台」のストリーミング配信じゃなくて、「新しいことやってる」感は強くありました。
ただコレが進んでいくと、映画やテレビとの境界性も曖昧になってくる。
そこら辺を考えると、今後はもっとインタラクティブな部分を打ち出していく流れになるのかもしれません。
(現状の到達点としては、かなりなモンと思ってます)


#劇団ノーミーツ

#むこうのくに

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