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「さよなら」は言わない:Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2022

初めて坂本龍一のソロピアノアルバムを聴いた時、
「なんて、美しい!」
とびっくりした記憶があります。
(それが何だったのかは忘却の彼方だけど…w。なんか、カセットだったような気もします)

以来、坂本さんのソロピアノは大好きなんですが、聴く機会も増え、そういう作品が多くなってくるにつれて、
「いや、これもいいんだけど、初期の電子音楽のトンがったのも…」
と不遜なことを考えるようにもなってきて…w。


このライブステージの情報が入ってきた時、
「そうか。最後かもしれないのか…」
と、チケットを速攻で入手したんですが、一方で、
「ここでゴリゴリの電子音楽やってくれんかなぁ」
なんて夢想したりもしました。
「ピアノソロだったら、だいたいどういうのかは分かるしな」
と。


全くの思い違いでしたね。

繊細なタッチ
流れるようなフレーズ
その合間に垣間見る勁さ
そしてモノクロの美しい映像


陶然とした1時間余りを過ごすことができました。

僕は「Merry Christmas,Mr.Lawrence」は、自分が知るメロディの中で1、2を争う美しい音楽だと思ってるんですが、このステージでの演奏はそれを再確認する、しかし美しいだけでなく、その中に心を鷲掴みするような勁さを感じる、素晴らしい演奏でした。
それこそ涙ぐむくらい…。


本当に最後になるのかな?
そうは思いたくない。
同じく闘病を続ける高橋幸宏さんと2人とも病魔を克服して、そして細野さんと一緒に、ゴリゴリの新しい音楽の向こう側を見せてほしい。

そういう「未来」があってもいいじゃない。
ねえ。



#坂本龍一

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