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声。

私の声は低くてしゃがれ気味の上に独り言を呟くような話し方をしてしまうため、聞き取り(られ)にくい。自分で自分の言ってることが聞き取れないこともあるし、仕事中に考え込んで「うーん」と唸った声が携帯電話のバイブ音に間違えられたこともある。わたしの声の周波数帯はたぶん日常音に近いのだ。加えてあまり口を開けずに喋るのもいけないとわかってはいる。でも身に付いてしまった癖はなかなか直せない。


そんな具合だからお店でのオーダーも当然通りにくい。
席に通されて頼むものを決めていざ、店員さんを呼び止めようとしてもなかなか気付いてもらえない。椅子から腰を浮かせ、挙手までしてアピールしてるというのに。

声質はまさに十人十色で、わたしの知人にはわりと甲高くて特徴的な声の持ち主がいる。その彼女と飲みに行った時には混み合う居酒屋の騒々しさの中にあっても彼女が一言「すみません」と声を上げれば100%店員さんが気付いてくれてびっくりした。彼女はきっとわたしのようなストレスを感じたことはないだろう。今後ざわめくお店に行くときには彼女を誘いたい。

最近は花粉症のせいなのか鼻声で、しかも通常時よりしゃがれ度も増してしまっているためわたしの声はコミュニケーションツールとしてはいよいよ役に立たなくなっている。今日はホットのカフェラテSサイズを注文したのに、店員さんが店内へオーダーを通す時点ではアイスカフェラテMサイズへと変換されていた。慌てて訂正して事なきを得たものの、ホットとアイスを聞き間違えられるほどとは、と苦笑してしまった。しかしよくよく考えてみたらそんな聞き間違いがあるだろうか。ホットとアイスなんて発音もかけ離れてる。単に聞き取れなかったのなら聞き直してくれよ、と店員さんにキレかけたが、かつての職場で電話を受けた際に「三信ファイナンス」を「阪神タイガース」と聞き間違えて取り次いだことがあったのを思い出して思いとどまった。


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