見出し画像

《無料》 問題がありすぎるエアライン日本航空 「賢い客はダイヤになってエコ(J)を買え!」 JAL国内線A350ファーストクラス新シートがダメ過ぎる

JALのA350国内線に導入されたファーストクラスの新シートに乗ってみたら、色々酷すぎでびっくりしました。酷くて「がっかり」ではなく酷すぎて「びっくり」です。

あまりにびっくりしすぎたので、予定にはありませんでしたが急遽note記事でJALの新しい国内線ファーストクラスシート評を記録しておくことにします。


ポンコツJALの限界…

ニュースなどでもJALのA350の就航はかなり話題になっていました。特にJALは破綻後初の新機材大量契約&導入ってことで張り切ったのか、既存のシートをすべて刷新し、エアバスA350には新シートを入れることにしたようなのです。

これは破綻後に納入され運行を開始した国際線機材のB787には新シートを入れられず、シェルフラットという情けない斜めフルフラットと呼ばれた古いシートで数年通さざるを得なかったリベンジのような気がします。

なので「NEW機材だから新シートにしよう!」ってちゃんと787の屈辱を思い出せたことはかなり評価できます。

そこはJAL偉かった。

しかしポンコツJALのやらかすことですので「予想通り」というかなんというか…よりにもよって国内線ファーストクラスの新シートがありえないダウングレード版で出て来るってのもね。

最大のチャンスに最低のシート出してきてすべて台無しにするってどうよ。



とてもファーストクラスとは呼べない

出来上がったシートはとてもファーストクラスと呼べない代物で、あまりのダメっぷりに乗りながら逆に感心する事態となりました。

すごいよJAL、ポンコツにも程がある。
「このシートで行こう」と思えたってなかなかすごいぞ

ここまで客に不便を強いて、嫌がらせっぽいシートを作るってなかなかできることではない。と心から感心しました。

JALってやっぱ(ダメな方向に)すごい。

既存ファーストクラスシートと比べ新シートはダウングレードっぷりが酷いので、いっそ昔使ってた「スーパーシート」に名前を戻したら?と頭をよぎるほど。いやそれではスーパーシートに失礼だな。

さすがにここまで劣化すると「ファースト」と冠つけて売るには無理がある降格ですので。「クラスJ Plus」くらいにしとかないとチケット買った人に怒られる感じです。



空の上でできる降格体験

B777に搭載されているドメファーストの白い革製シートが社長椅子だったとすると、今回導入されたシートはなんていうか

『社長を突然解任され、温情で関連会社ベンチャー新規事業立ち上げ室の顧問に飛ばされ、いま流行りのシェアオフィスで座り心地の悪いヘンテコおしゃれ椅子に座らされる(何故かビール付き)』

って感じ。(あくまで個人の感想です)

このダウングレードプレイはなかなかのもので、否が応でも降格させられた気分を味わえるし、最新のはずなのに、不便でどうしようもないエクスペリエンスができるというのが、もしかしたら最大のポイントなのかもしれません。

エキストラ料金を払って前より悪いシートに座らされるって、消費者としては我慢できるかどうか試されてるおもいました。

わたしはこのダメダメすぎる新ファーストクラスシートに乗るのが2度と勘弁とおもったくらいなので、どんなにダメか体験してみたい奇特な方以外は、いままでのファーストクラスのつもりで乗ると、がっかりしてしまうことを先にお伝えしておきます。


というわけでここから先は

全文無料でお届けします。


ーーー✂︎ーーー


〈前より悪くなったところ〉

A350荷物棚の使い勝手が最悪

国内線搭乗のときって、ピギーなどは預けてしまい、パソコン用トートバッグのみを機内持ち込みにしているのですが、エアバスA350は荷物棚がユーザーフレンドリーじゃないな、というのがまず最初の残念ポイントでした。

ここを読んで「あれ?」って思った人、あなたはJALの発信する情報や、プレス向け資料とかを相当読み込んでますね。

そうなんです、JALったら「機内持ち込み荷物が全員分収納できる大容量の荷物棚がついてるのがA350機の特徴」と宣伝してました。

なのに「A350の荷物棚は使いにくい」ってSUZU何言ってんの?A350の売りをわかってないの?と思っちゃう方もいると思いますので解説しておきます。

まず、「荷物棚の容量が増えること」と「荷物棚が使い勝手が向上すること」はかならずしもイコールではありません。容量と使いやすさは全く別の話です。(だいたい異常に物が入る何かって物は入るけど取り回し悪かったりしませんか?)


:ボーイング機材の工夫

例えばです、ボーイング社の787や777の荷物棚って既に工夫されて尽くしており、まず荷物棚の高さ問題には対応しています。
実際B777やB787の荷物棚はかなり低い位置に降りてくることを頻繁に搭乗している人は気が付いているでしょう。
この荷物棚がOPENした状態の棚の高さって使いやすさに直結するんですよね。「荷物が載せやすく取り出しやすい」って大事なので。


:B777(トリプルセブン)のひみつ

ボーイング777型機ですと、荷物棚がどれほど低い位置まで降りてくるかというと、ボーディング時のマニュアルに

『搭乗してくる乗客の頭にぶつかる可能性があるので「中央列の荷物棚」だけは閉めてお客様をお迎えするように』

って書いてあるほどなんですね。(=B777ボーディング時は両脇の荷物棚だけをOPEN状態にする理由)


参考までにこの画像をご覧ください

これはキャセイの機内ですがB777の荷物棚がかなり下まで降りてきてるのがわかる画像です。


ところがA350って(これはエアバス機の特徴でもあるんですけど)荷物棚の位置が高い。これ「エアバス機は天井が高い」とも表現されますけど、特に中央列の荷物棚はかなり上の位置にあって、ここまで高さがあると欧米人と比べ身長の低い日本人はバッグを載せるのも一苦労です。

そしてこれはJALだけではないのですが、エアバスA350型機の荷物棚ってとても容量があってたくさん荷物が入るのが売りなのですが、それを実現するために入れ物の底が深くしてあります。

なので高い位置にある深い棚にバッグを入れると、載せるときはなんとか可能でも、取り出すときにバッグ本体が棚の底に沈んで埋もれてしまい、座席横のステップを利用したくらいでは簡単にバッグを取り出せなくなる、ということが起こります。

こういう細かいところがエアバス機ってほんと不親切なのよね。ってA380が世に出て来た10年以上前から思ってたんですけど、A350でもこの荷物棚がボーイング社製機材より使いにくいは部分は、残念ながら2020年でも全く改善されてませんでした。

とにかくJALのA350は荷物棚が本当に使いにくいというのが搭乗時一番最初におもったことです。

国内線は荷物を機内持ち込みする客が多いので、

荷物がいっぱい載せられるようにしました!

とJALの宣伝には書いてありますが、それゆえ「おそろしく使いにくい棚に劣化した」とわたしは思います。


これはLATAMのA350の荷物棚が落っこちてきた画像です。
JALの荷物棚もこんな風になりませんように。



新ファーストクラスシートは上の棚へのバッグ等の収納が全員に強制される

A350の新ファーストクラスシートは最前列だけでなく2列目も「離着陸時に前の座席の下に荷物を置けません」と客室乗務員が言って回っており、全員の荷物を上部の荷物棚に入れる以外方法がないシートだそうで。

A350の荷物棚がこれだけ使いにくいのに、ファーストクラスでこの種の不便さをしいられるとは…

信じられん。


新ファーストクラスシートには収納が無い衝撃

今回のファーストクラスでのわたしの着席位置は一列目。

機内持ち込みしたパソコンバッグ等を荷物棚に仕舞い、やっと席についてまずびっくりしたのはシート自体に収納がないこと。とにかくどこを探しても収納スペースが存在しないのです。これにはほとほと困りました。

わたしは最前列のファーストクラスに乗る場合、安全のためはじめっから荷物は上の棚に入れることにしています。不便で仕方ないですがルールなのでしぶしぶですが従います。目的地に着陸してベルトサインが消えるまで上の棚に収納した荷物にはほとんど触れません。

そのため巡航中使いたいものは、あらかじめ出しておくことにしています。

国内線の短いフライトだと、上の棚から荷物を出し入れするのってとても面倒ですからね。ゆえに最初から必要なものは手元に置く工夫をするようになりました、喜んでやってるわけではなく苦肉の策です。

よく考えれば国内線で手元に置いておきたい必要なものほんの数点しかないし、フライトタイムの長くて2時間、短ければ1時間程度ですからね。

なので機内で仕事しないといかん状況では、PCをあらかじめ出しておくこともあれば、そこ迄ではないけど機内ネットでメールの返信したりちょっとした作業を済ませたい時も多いので、iPad は必ず出します。あとはiPhone。機内で充電しておきたいので電源なども。他には自分の好みのお茶の入ったサーモマグとか。

あとは緊急脱出時に貴重品は取り出す暇がないので、現金とクレカ免許証等はきっちり肌身離さずポケットに仕込んでます。バッグに入れて上の棚にしまうときに貴重品いれっぱなしってのも不安ですからね。


巡航中に使いたいものを置いておくスペースがない

今回は航行中に仕事で使うiPad mini、iPhone(+充電器)ペットボトルをあらかじめトートバッグから出して座席の上に一旦置き、上の棚にバッグ類を収納して、いつものようにサイドポケットなどにiPad miniをいれたくて置き場所を探したのですが、まずシートにサイドポケットがありません。とにかくシート自体には収納出来そうなスペースが全く無いのです。

ペットボトルを置いておきたいな、と思っても最近ではエコノミークラスですら確保されてる「ペットボトル置き場」がA350のJALファーストクラスには存在しないという衝撃的な体験する羽目になりました。


画像10

既存の白革の社長椅子(B777のファーストクラスシート)には、肘掛け下両側にかなり広いサイドポケットがあり、薄型&小型のタブレットなら余裕で収納できましたし、ペットボトルも苦労なく入りました。

しかしA350の最前列の新ファーストクラスシートにはそのスペースが一切ないのです。収納が存在しない。


スリッパやヘッドフォンを置く場所もなかった

そしてもっとありえないのは、搭乗するとシートの上にはスリッパとヘッドフォンが置いてありますが、座るためにどけてもこれらをちょっと置くスペースすらないのです。

以前のFシートでは最前列なら前の壁に設置してある各ポケットにスリッパだのヘッドフォンが入れられていたわけですが、新シートではそれらがすべて座面に置いてあるんですわ。座るためにはこれらをどこかにうまいこと置かないと座れません。

本来これらはB777ではこんな風に壁のポケットにひとりずつセットされていたものです。丁寧に席番号まで表示してあります。

画像9

なぜ新ファーストクラスシートではスリッパやヘッドフォンを前の壁のポケットにあらかじめ入れておかないのか?

理由はこれ↓


ふたりでひとつ!共有させられる壁ポケット

この席はファーストクラスのはずなのに信じられない状況は続きます。
なんと壁についてたポケットがひとりひとつではなく「知らない人とふたりで仲良く使ってね」タイプに改悪されていました。

画像3

A350の壁ポケットは隣の客との共用


これ、前より悪くなった以前に、ひとりにひとつシートポケットがあるクラスJや普通席よりも、ファーストクラスのシートの利便性が劣ってるというありえない仕様になっているのです。

なんていうか「ファーストのシートポケットはふたりでひとつでいいよね」って言いだしたヤツはいますぐ名乗り出なさいって本気で思ってしまいました。

「SUZUの部屋」に呼び出してインタビューしたい。小1時間どころか100時間くらい詰めたいです。

あのですね
大事なことなのでわざわざ言っときますが、ファーストクラスにお金を余分に払う客は隣の見ず知らずの客と何かを「譲り合って使う」なんてことしたくないからこそエキストラコスト払ってるんです。

要は自分のスペースを余分に確保したいからお金払ってるんです。

なのに何故隣の知らん客のことを気にしながらこのポケットを使わないといかんのだ?片方の客がここにスリッパだのなんだのをここに突っ込んだら、入ってる冊子やら機内販売カタログ等は取れなくなるし、そもそも自分のスリッパを入れることすらできなくなるのです。

このポケット容量的にはどっちかの座席のひとり分しか入りません。そして譲り合って使うなんてこと現実には起こりえず、早くスペースを獲ったもん勝ち。

シートのパーテションを高くし、隣の客の肘が侵入できないようにディバイダーをつけ、プライバシーを守る的なシートにしてるのに、壁ポケットだけは「ふたりで仲良く使え」と共用させるなんてありえないでしょ。

「Fクラスだけ壁ポケットがふたりでひとつでいいよね」って言い出した担当者、正直に名乗り出てほしい。どう言う意図でそうしたのか真意をインタビューしてみたいです。



以前のFシートでは最前列はきちんと壁設置ポケットがひとりひとつずつありました。

画像4

丁寧に席番号まで掲示してあるのが見えるでしょうか?

画像5

この心遣いは何処に行ってしまったのでしょう…


いやほんと、これをファーストクラスだけ「ふたりでひとつでいい」「譲り合って使ってもらおう」って思ったってことが信じられません。



シートの横幅が以前より狭い

社長シートが関連会社ベンチャー顧問席に降格と書いた理由のひとつは座席の横幅が狭いからです。白革の社長席の方が横幅があってスペースが広く快適でした。

それにしても幅も狭い、収納もない、ポケットの設置すらケチられたこの椅子でファーストクラスを名乗るのはさすがにJALはZZC(ずうずうしい)とおもいます。今すぐ新シートの名称を公募してくれたら「降格シート」って書いて応募します。

それにしても、いままであったものが相当よかったってのは、新しいものが劣化状態で出てきて初めて気づかされるのだと、わかりきってることを今更しみじみと思いました。白革のあの国内線のファーストクラスのシートを考えた人は偉かった。

ちっ、新しい椅子なのにベンチャーシェアオフィス顧問シートに降格になっちゃったわ。



暗さと狭さと圧迫感

ボーイング777型機はキャビンサイズも大きめで、2-2-2の白革の社長席でも余裕のスペースでしたが、残念ながら777よりサイズが小さいエアバスA350になると客室内も777より狭いので、座席を2-2-2で配列するとぎゅーぎゅー感がすごかったです。

通路も尋常じゃなく細狭い。そのうえキャビンカラーがシートカラーを含めて暗く、囲いをつけたファーストクラスはより一層圧迫感が強調されてました。

っていうか、JALのアッパークラス利用客に対する嫌がらせスキルはどんどん上がって磨かれすぎな気がします。




充電機能と何も入らない小物入れ

以前の白革の社長席には充電機能は備わっておらず、前の座席のシートポケット(最前列なら壁のポケット)にブック型のバッテリーが入っておりましてそれにコード繋げて充電をするというかなり不便というか前時代的なものでした。

画像6

B777の充電バッテリー


さすがにA350は現代の飛行機なので全席で充電できるようになりましたが、ファーストクラスでダメなのはその設置位置。今回iPad miniを充電したかったのですが電源の場所が肘掛下のへんなところにあって充電しにくいったらない。

画像7

ここに画像のような意味不明な小物入れはあるのに、とにかく小さすぎるのと形がヘンテコなので、冗談抜きで何も入らないのです。以前のシートのようにタブレットや小型PCを入れられるスペースを肘掛の下に何故作らなかったのか怒りが湧いてくるほどでした。

一見ペットボトルが入りそうなデザインですが、ペットボトルの底の直径より小物入れのほうが狭いので、ペットボトルを入れることはどうやっても出来ませんでした。まさにトラップポケット。

この小物入れを考えた人なんていうか…センスなさすぎ?



マッサージ機能


新FシートはJAL国内線初採用の電動だそうで。

画像8

A350の電動シートの操作パネル

右側にマッサージ機能のボタンがついてるのが見えます。


こちらは既存の白革の社長シート(B777)のボタン

画像10

マッサージ機能がついてないことがわかります


:マッサージ機能って要る?

JALオフィシャルはこんなこと言ってますけど。


マッサージ機能については
「飛行機のシートにマッサージ機能って要る?」
っていつも思ってしまいます。

あれを愛用して「揉まれて腰が背中が気持ちいい」みたいに感じる客ってこの世にいるの?

これJALだけでなくどのエアラインもそうなんだけど、マッサージ機能って本当に必要とされてるのかちゃんと考えてないでしょ?なんか付けとけば「すごい」シートの感じがするっていうふんわりした理由でマッサージ機能を付けていませんか?>各エアライン


で、JALのA350の新F席に付けられたマッサージ機能は、当たりがめちゃくちゃ雑でJALの嫌がらせ極まれり、客に恨みでもあるんか?と心配になるレベルでひどいマッサージ機能でした。

これなら無いほうがいい。

電気椅子でこれから処刑でもされるのかと思うくらいに不快なびりびり振動。安いマッサージ椅子にありがちな当たり方というか。

これも社長シートから降格させられた先の関連会社ベンチャーは超ブラック企業で、シートに不快な振動を起こす機能をつけて寝かさず24時間働かせるみたいな設定なのかとおもっちゃった。


マッサージ機能よりも、まずiPadやPCが置けるサイドポケットでしょ?かなり疑問におもってしまいましたわ。



〈既存シートより良いところ〉

前より良くなってるところをいくつかあげときます。


フットレストがすこしだけ上がる

日系エアラインのフットレストの上がらなさは昔からおかしいレベルでした。「客の足を斜め以上うえにあげてはいけない」という決まりでもあるのかと疑うレベルで、日系エアラインのシートのフットレストは水平にならない。

これが異常レベルだったので、やっと以前よりちょっとだけマシな角度まであがるようになったかなと思いますが、これも誤差レベルのほんの少しね。
ただし、これは今までがダメすぎだったのと、このシートの他の仕様がダメすぎるのでフットレストの角度しか褒めるところがなかったとも言えます。


国内線ではJAL初の電動シート

以前はリクライニングするにも足置きを仕舞うにも力技でしたがやっと電動になりました。でもこれ褒めるようなことじゃないのよね。さすがにいまどきファーストクラスと言うならシート操作が電動は当たり前ですのでね。

面白かったのはシートベルトサインがついて客室乗務員が足置きを収納するように言いながら電動シートのはずなのに足置きを膝で押してたこと。壊れるわよ。

現行の白革の社長席がすべて手動で、フットレスト収納にかなり力が必要だったので、その客室乗務員は長年の癖でつい足置きを膝で押しちゃったんだと思うけど。電動なんでね、膝で押しても意味ないのでは?



荷物棚の開閉アシスト機能

JALのA350だけについている荷物棚扉の開閉アシスト機能。

赤坂社長によると、これはエアバス社をJALが説得して特別につけてもらった「荷物棚を閉めるのを楽にする機能」だそうな。

使い方は5秒ほど下に引っ張ってカチッと音がしたら手を離すと自動で閉まるそうですので、棚を閉めたいひとはやってみてください。

利用したファーストクラスでは、さすがに荷物棚を閉めるのは客室乗務員がやってたので、残念ながらこの機能を試すチャンスには恵まれませんでした。ですので未検証ゆえ使い物になるのかどうなのかなんとも言えません。

但しエアバスのやることだから1年後にはこの機能は壊れまくってるのではないだろうか?という懸念があります…


新ファーストクラスシートにまた乗りたいとは思えない

さて、いいところを無理やりひねりだしましたが、それにしても悪くなったところが悪くなりすぎで、もうなんていうか、新しくなったファーストクラス椅子がついてる機材に限ってはリピはないです。

なにしろこのダウングレード仕様のシートだとお金が勿体無いし、本当に「また乗りたい」ってかけらも思えないので。

むしろもう二度と乗りたくないシート。

ハズレにしても限度がある。腹立つレベルでひどいシートでした。



JALがハイエンド層にそっぽを向かれる理由

考えるに、JALってきっと解像度がびっくりするほど粗く、想像力がまったく豊かじゃない人をファーストクラスの新シート担当にしちゃったんでしょうかね?

ハイエンド層に訴求するのはJALがもっとも不得意とすることみたいだけど、ファーストクラスの客が何に対して付加価値だと思って余分なお金を払ってるか、もっとよく考えて研究して設置するシートを決めた方がいいと思いましたわよ。

特に前の座席の下へ荷物を置いてはいけないタイプなのに、シートにはまともな収納がひとつもないとか、ちょっと考えたら「まずいんじゃ?」って気付くべき。

これは想像力の問題。

最新機材は地上にいる時から機内Wi-Fiが使用できるPanasonic Avionicsを導入したってことを売りにしてる訳なんだから、そうなると多くの旅客がタブレットやいまどきの大きめサイズのスマートフォンを離着陸時も手元に置くことになるなんてのはちょっと考えたらさらっと想像できないと。

そもそも離着陸時には、前の座席の下を使わせない形状のシートって=全ての荷物を離着陸時に荷物棚に収納する必要が出てくるのですから、荷物を棚に載せるという動作自体が多くの乗客にとってかなりストレスになる。って先に気付くべきだったと思いますね。

JALとしてはファーストクラスなんだし「JALは客室乗務員が荷物の上げ下ろしを手伝うんだから前の座席の下に荷物入れられなくても問題ないよね」って思ったのかもしれません、しかしハードの不便さや欠点を「現場の人力」でなんとかすればいいって考えがそもそも間違ってるのです。

実際「現場での人力」作戦を遂行するには客室乗務員だけでなく、ファーストクラスの客も動員しないとなりません。

客側は国内線の短い時間でいちいち客室乗務員を呼び出して「荷物取って」などと頼むのは超絶面倒です。となると解決策は客が自分でやるしかなくなり、結局ハード面の欠点は客が不便さとして直撃をうける事態になるのです。


客にとっての不便を増やした新シート

こういう細かい「客が面倒に感じること」に全く寄り添って無いのも、ほんと「JALダメだな」と思いますし、正直貴重品の入ったバッグ等の荷物を手元に置いておけないことは、旅客の快適度合いを著しく下げてしまうというのは想像を巡らせるべきだったと思います。

「安全上の理由で」と言えば従わざるをえない客が、離着陸時いちいち荷物を取り上げられて「不愉快だ」「不便だ」「不快だ」とその都度感じてしまうことは、航空会社のシートを選定する部門の人たちたちはもっと正しく認識すべきだと思うのです。

感覚が鈍くて伝わらないと困るのではっきり言いますけど、これは「客に嫌がらせをしている」と気がつかないといかんってことよ。

特にファーストクラスであるにも関わらず、搭乗するたびに毎回毎回不便を強いられるシートってどう考えても印象悪いです。
エコノミークラスの旅客が少々不便を感じるのは仕方ないと思うけど、ファーストクラスでこれは有り得無い。

特に既存のシートで可能だったことが出来なくなったとなると印象はよくないです。



あのグラスどこやった?

シートが酷すぎなので、印象薄まったんですがミールサービスについてもいくつか。A350就航を記念してなのか機内食の食器類も刷新されました。

画像10


シャンパングラスでシャンパンを出すのを継続したのは良いことですが、水やソフトドリンクを入れるグラスまでも「ステムなしの無駄にデカいワイングラス」にしてるのはどうかと思いました。

このステムなし無駄にデカいワイングラス、大きすぎてスペース的に超邪魔、置きにくい、持ちにくいし、飲みにくい。で良いこと一つもないです。なんでどの飲料もこの使いにくいワイングラスで飲まそうとするのか?以前使っていた普通の細身のソフトドリンク用のグラスどこやった?

デカグラスのメリットって一回で注ぐ量が増えるので、何度もお代わりを頼まれないし、なんでもかんでもこのデカワイングラスに入れてサービスすれば客室乗務員は労力が省けて楽なんでしょう。

しかし客としては、それほど広くもないテーブルの上のスペースも占領するし、おまけに持ちにくいワイングラスで「ワインじゃない飲み物」を飲まされるって、快適からは程遠いです。これもじんわりストレス。



クラスJより劣るファーストクラス

クラスJのほうがファーストクラスよりシートの機能性が上ってのはありえません。せめてクラスJにはある1人一つづつの壁ポケットをファーストクラスの最前列の壁にもつけるべきだし、クラスJには付いている肘掛下収納スペースもファーストクラスに導入すべきです。


実際に搭乗して自分で座って使ってみて、このFシートなんていうか、以前のFシートと比べ劣化しすぎだしほんとありえないダメシートでびっくりしました。

既にA350は5機受領しちゃってるのと788にもこのタイプの新シートを入れているので国内線はダメな新F席が増える一方なのがおそろしい。



JALは「おもてなしとは何か」を勘違いしている

「おもてなし」ってのは、異常に客にこびたり、なんでもないことを大げさにチーフが謝り倒したりすることじゃなくって、なるべくストレスのないハードを作ること。

「使い易さ」それこそが乗客の搭乗体験の印象の良さに繋がり、おもてなしそのものになのだとJALの中の人たちは早く気がついてほしいなと思いました。

破綻したJALがどうにか立ち直ってやっと新しい飛行機いっぱい買えて嬉しい!」みたいな社内の事情なんて客にはどうでもいいし、導入までの苦労とか、開発秘話とかって客には一切関係ないんですよ。
完成したものが最終的に使いやすいか、ストレスなくフライトを過ごせるかどうかだけが客にとっては重要なことなんですわ。

今風に言うとJALの国内線の新しいファーストクラスは

「搭乗体験が悪すぎる」



それにしても毎回毎回お金を突っ込んでみる割には、ほんとJALって何をやらせても「できない子」すぎてほとほと呆れております。ポンコツにもほどがある。

なんかほんと客のことは一切考えず、内輪だけで盛り上がっていいねいいねって決めたんだかなんだか知らんけど、こんなひどいファーストクラスのシート恥ずかしげもなくよく出せたなと呆れかえっております。


早急な「カイゼン」が必要

さすがにこの劣化はあんまりなので、ファーストクラスはシートの機能性のマイナーチェンジを検討する必要があると思います。社内で内輪受けしてないできちんと外部から「リアルがわかって意見を言える人」を呼んできて、本気のダメ出しをしてもらい、早急にシート見直しをし、なにかしら手を打つべきだと思いました。


いやそれにしても、国際線もそうだけど国内線まで

「賢い客はダイヤになってエコ(J)を買え」

になってしまうとは…。

JALよハイエンド客が欲しいんじゃなかったの?


よかったらスキ♡押してくださると嬉しいです。






こちらの記事も面白いのでどうぞ

JALの国内線ファーストクラスでのとんでもない出来事



いつもサポートありがとうございます。いただいたサポートは執筆に必要な取材費用として使用致します。