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書記が法学やるだけ#41 内閣,財政

問題


解説

(1)正しい行政権内閣に属し(65条),内閣は,法律の定めるところにより,その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する(66条)。内閣は,衆議院で不信任の決議案を可決し又は信任の決議案を否決から10日以内に衆議院が解散されなかった場合・内閣総理大臣が欠けたとき・衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは,総辞職をしなければならない(69,70条)。なお,総辞職後も,内閣はあらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行う(71条)。

(2)誤り:内閣は,行政権の行使について,国会に対し連帯して責任を負い(66条),これは国民からの政治的批判を受けるという政治責任を意味する。

(3)誤り:内閣の役割の一つに,この憲法及び法律の規定を実施するために政令を制定することが挙げられ,これは国会とは無関係に行うことができる。但し,政令には,特にその法律の委任がある場合を除いては,罰則を設けることができない(73条)。

(4)正しい国務大臣は,その在任中,内閣総理大臣の同意がなければ,訴追されない(75条)。

(5)正しい:国の財政を処理する権限は,国会の議決に基いて,これを行使しなければならない(財政民主主義,83条)。また,あらたに租税を課し,又は現行の租税を変更するには,法律又は法律の定める条件によることを必要とする(租税法律主義,84条)。判例(最大判平18.3.1)によると,「市町村が行う国民健康保険は,保険料を徴収する方式のものであっても,強制加入とされ,保険料が強制徴収されている。よって,賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するものであるから,これについても憲法第84条の趣旨が及ぶと解すべきであるとしている」。

(6)正しい:内閣は,毎会計年度の予算を作成し,国会に提出して,その審議を受け議決を経なければならない(86条)。予見し難い予算の不足に充てるため,国会の議決に基いて予備費を設け,内閣の責任でこれを支出することができる。ここで,すべて予備費の支出については,内閣は,事後に国会の承諾を得なければならない(87条)。


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