書記が経済やるだけ#17 消費関数の性質
消費関数の性質をいくつか確認する。
問題
説明
経済学史においては,消費関数はジョン・メイナード・ケインズによる著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」において最初に導入されたとされている。ケインジアン・モデルにおける消費関数は,可処分所得についてのアフィン関数である。
消費の効率的な動学的配分の条件としてオイラー方程式が重要である。家計の無差別曲線と予算制約線の交点が最適消費であり,時刻tの貯蓄から時刻t+1の支出に移動する。
解答
所得均衡式は,消費関数と計画支出を三面等価により式変形して得られる。これに消費関数と租税関数を代入してYの式を得て,投資・政治支出を代入して均衡国民所得が求められる。
Yについての式を解くと,総所得と政府支出の比例関係が得られる。ここで比例定数である乗数は1よりも大きいため,総所得増加は政府支出増加より常に大きい。このことはケインジアン・クロス(有効需要の原理を前提とする)により可視化でき,政府支出の増加により総所得が増加するという乗数効果が導出できる。
貯蓄のパラドックスとは「国民全体が消費を減らして貯蓄しようとすると,結果として貯蓄は減少する」といった理論で,これは消費を減らすと貯蓄関数が上シフトすることから言える。
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