書記が数学やるだけ#76 複素積分-2(コーシーの積分定理,コーシーの積分表示)
複素積分について,正則な関数については計算上うれしい性質がある。
問題
説明
まず,線積分の性質であるグリーンの定理を復習。
参照記事:
これとコーシー・リーマンの関係式により,正則な関数についてコーシーの積分定理が成り立つ。積分の値が0になるというありがたい性質である。
領域が複数あったとしても,正則ならば簡単に表せる。
これより,コーシーの積分表示が成り立つ。周回円については,前回解いた問題から言える性質である。
ひとたび正則だとわかれば,何回でも微分可能,ということが言える。
解法
特異点はあるものの,それは領域の外側なので,領域内では正則である。なのでコーシーの積分定理により0になる。
特異点が領域内にある場合,その点を中心に円を領域として考えると,コーシーの積分表示を用いることができる。
特異点が複数ある場合,その分だけ円を多く描けばよい。
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