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書記が法学やるだけ#39 相続

問題




解説

(1)正しい血族相続人は,被相続人の子,直系尊属,兄弟姉妹の順で相続人となる。また,配偶者は常に血族相続人と同順位で相続人となる。また,子の子と兄弟姉妹の子は代襲相続することができる。本問では,「配偶者と子」より配偶者は1/2相続する。子のうち長男は死亡しているため代襲相続により孫A,Bに相続される。一方で,次男は相続放棄しているため相続されず,三男は相続する。よって長男と三男で1/4ずつ,孫A,Bは1/8ずつ相続する。

(2)誤り:遺留分を有する推定相続人が,被相続人に対して虐待をし,若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき,又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは,被相続人は,その推定相続人の廃除家庭裁判所に請求することができる(892条)。

(3)正しい共同相続人は,被相続人が遺言で禁じた場合又は分割をしない旨の契約をした場合を除き,いつでも,その協議で,遺産の全部又は一部の分割をすることができる(907条)。

(4)誤り:相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に,相続について,単純承認・限定承認又は放棄をしなければならない(915条)。なお,相続の承認及び放棄は,この期間内でも,撤回することができない(919条)。

(5)誤り遺言の方式には普通方式特別方式があり,普通方式には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言,特別方式には死亡危急者遺言・伝染病隔離遺言・在船者遺言・船舶遭難者遺言がある。口がきけない者公正証書によって遺言をする場合には,遺言者は,公証人及び証人の前で,遺言の趣旨通訳人の通訳により申述し,又は自書して,口授に代えなければならない(969条)。

(6)正しい:遺言者は,いつでも,遺言の方式に従って,その遺言の全部又は一部を撤回することができる(1022条)。遺言者は,その遺言を撤回する権利を放棄することができない(1026条)。


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