見出し画像

書記が法学やるだけ#27 物権変動

問題


解説

(1)誤り不動産に関する物権の得喪及び変更は,その登記をしなければ,第三者に対抗することができない(177条)。ここで,判例によると「民法177条の第三者とは,当事者若しくはその包括承継人以外の者であって,不動産に関する物権の得喪,変更の登記欠缺を主張する正当の利益を有する者」としている(大連判明41.12.15)。

(2)正しい:当事者の一方がその解除権を行使したときは,各当事者は,その相手方を原状に復させる義務(原状回復義務)を負う。判例によると,第三者が保護を受けるには,その権利につき登記を備えていることを要する(大連大10.5.14,最判昭33.6.14)。

(3)正しい:判例によると,不動産の時効取得者は,取得時効の進行中に原権利者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した者に対しては,登記がなくても,時効による所有権の取得を主張することができる(最判昭41.11.22)。一方で,取得時効の完成後に原権利者から当該不動産の譲渡を受けた場合には,時効による所有権の取得に登記が必要である(最判昭33.8.28)。

(4)誤り動産に関する物権の譲渡は,その動産の引渡しがなければ,第三者に対抗することができない(178条)。引渡しには,現実の引渡し・簡易の引渡し・占有改定・指図による占有移転がある。

(5)正しい取引行為によって,平穏に,かつ,公然動産の占有を始めた者は,善意であり,かつ,過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する(即時取得,192条)。


本記事のもくじはこちら:


学習に必要な本を買います。一覧→ https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/1XI8RCAQIKR94?ref_=wl_share