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書記の読書記録#992『消滅世界』

村田 沙耶香『消滅世界』のレビュー


レビュー

本作はスペキュラティヴ・デザインやバイオアートといった分野を文学で実践したものと言える。ゆえに文学のみならず幅広い方向からの切り口を持っている。

万人が「おかあさん」と「子どもちゃん」の関係に収束した世界について,「おとうさん」更に言えば父なる神をいかにして排除してきたのか,その過程の方が気にはなる。

完全に関係ない話ではあるが,本作の優しい世界観にテロリストを放つとしたらどのような人物だろう,存在そのものがマスクされている弱者男性がどれだけ脅威になるか,そんなことを考えた。


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