見出し画像

書記が法学やるだけ#36 契約-2

問題


解説

(1)正しい消費貸借は,当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって,その効力を生ずる(587条)。一方で,使用貸借は,当事者の一方がある物を引き渡すことを約し,相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって,その効力を生ずる(593条)。当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合,使用及び収益の目的を定めたときは,使用貸借は,原則として,借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する(597条)。例外として,貸主は当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときいつでも契約の解除をすることができ,借主いつでも契約の解除をすることができる(598条)。

(2)誤り賃貸借は,当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し,相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物契約が終了したときに返還することを約することによって,その効力を生ずる(601条)。賃借人は,賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは,賃貸人に対し,直ちにその償還を請求することができる(608条)。

(3)正しい:賃借人は,賃貸人の承諾を得なければ,その賃借権を譲り渡し,又は賃借物を転貸することができない(612条)。賃借人が適法に賃借物を転貸したときは,転借人は,賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として,賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。この場合においては,賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない(613条)。

(4)正しい:賃貸借の対抗要件を備えた場合において,その不動産が譲渡されたときは,その不動産の賃貸人たる地位は,その譲受人に移転する(605条の2)。賃貸人たる地位の移転は,賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ,賃借人に対抗することができない(605条の3)。

(5)誤り雇用は,当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し,相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって,その効力を生ずる(623条)。また,寄託は,当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって,その効力を生ずる(657条)。請負は,当事者の一方がある仕事を完成することを約し,相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって,その効力を生ずる(632条)。請負契約では,報酬は,仕事の目的物の引渡しと同時に,支払わなければならない(633条)。

(6)誤り委任は,当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し,相手方がこれを承諾することによって,その効力を生ずる(643条)。受任者は,委任の本旨に従い,善良な管理者の注意をもって,委任事務を処理する義務を負う(644条)。


本記事のもくじはこちら:


学習に必要な本を買います。一覧→ https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/1XI8RCAQIKR94?ref_=wl_share