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書記が経済やるだけ#18 設備投資の最適化,トービンのq

マクロ経済学の要素の一つである投資について。


問題


説明

投資とは,将来的に資本を増加させるために現在の資本を投じる活動を指す。マクロ経済学において,投資は利子率の減少関数とみなして分析する。


資本ストックとは,ある時点で社会や企業が抱えている設備の量である。「設備投資は設備のフロー」「資本ストックは設備のストック」と言われる。


トービンのq理論とは,アメリカの経済学者ジェームズ・トービンが提唱した投資理論であり,トービンのqは株式市場で評価された企業の価値を資本の再取得価格で割った値として定義される。トービンのqが上昇すると投資が増加し,トービンのqが下落すると投資が減少する。


解答

まず,新古典派の投資理論に基づく設備投資の2期間モデルを考える。企業利益生産関数(資本ストックの関数)と設備投資を用いて示す。また,第2期については資本減耗率を考慮する。これにより企業価値を最大化する設備投資が決定でき,第2期の最適な資本ストックについて限界生産性利子率と資本減耗率の和に等しくなる。


計算例として,利子率・資本減耗率・資本ストックから最適な設備投資を求める問題を扱っておく。


上に挙げた新古典派投資理論は,利子率が上昇した地点で設備投資を最適化する手法で,将来への期待が設備投資に与える影響が考慮されていないという問題がある。これを克服したのが調整費用モデルであり,最適資本ストックを達成するまでの過程を調整費用関数を用いてモデル化する。


トービンの限界qの導出について,無限期間の投資において企業利益の最大化を解くことで,qは資本の限界生産性の割引現在価値の合計に等しいことが示せる。なお,トービンのq理論調整費用モデルは同じものであることが示されている。


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