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書記が日本史やるだけ#85 明治時代の産業発展

問題


解説

(1)正しい綿糸業について。1883年に操業が開始された大阪紡績会社では,蒸気機関を原動力とするイギリスから輸入した紡績機械で綿糸を生産した。その後,機械性生産による紡績会社が次々に設立され,1890年には国内の綿糸生産高は輸入高を上回るようになった。また,綿織物の分野では,豊田佐吉により国産力織機が開発され,機械性生産が進んだ。

(2)正しい製糸業について。従来の座繰製糸に加え,器械製糸による工場が増え,1894年に器械製糸の生産高が座繰製糸の生産高を上回るようになった。

(3)誤り:1901年に操業開始した官営八幡製鉄所では,主に清国の大冶鉄山の鉄鉱石を原料とし,国産の石炭を取り入れて鉄を生産した。

(4)誤り:1881年に日本鉄道会社が設立され,1889年に開通した東海道線をはじめとして全国に鉄道が敷かれるようになった。また,1906年には鉄道国有法を発し,国が私鉄を買収して国有鉄道とした。

(5)誤り:1885年には三菱汽船会社と共同運輸会社が合併して日本郵船会社が設立され,海運業で巨利を収め,やがて1893年に三菱合資会社が設立されて財閥を形成した。その他,財閥には三井・住友・安田・古河などがある。

(6)正しい:社会問題について。1888年の高島炭鉱事件では,坑夫の過酷な労働が問題視されるようになった。また,1886年には甲府の雨宮製糸工業で女工によるストライキが起こった。足尾銅山鉱毒事件では,田中正造らが議会で取り上げ政府に対策を迫り,天皇への直訴も行なった。


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