書記が経済やるだけ#21 労働市場
なぜ失業は無くならないのかをいくつかのモデルから考える。
問題
説明
労働市場とは,労働力を商品として需要と供給をめぐる取引がおこなわれる市場である。
失業とは,職業(仕事)を失うこと,および労働の意志も能力もあるのに仕事に就けない状態を指す。ケインズにより,自発的失業・摩擦的失業・非自発的失業の3様態に分類される。
UV曲線では,実質賃金の下方硬直性・ミスマッチによる失業の度合いが示される。
解答
労働供給は消費と余暇の効用関数と予算制約から求められ,労働需要は企業の利潤最大化から求められる。
両方を合わせることで労働市場の均衡が示せ,これにより均衡の雇用量と実質賃金が決まる。なおここで,労働供給において代替効果>所得効果を仮定している。
もし労働市場の均衡が達成できているなら,失業者はいないはずである。しかし実際には失業者は一定数存在する。一つの説明が実質賃金の下方硬直性で,労働契約や解雇における慣習などにより,賃金は速やかに調整されない場合がある(例:インサイダー・アウトサイダー理論)。
また,ミスマッチにより,労働者と企業で希望する条件が一致しなければ失業が発生する。この失業を説明する理論としてジョブ・サーチ理論と部門間移動仮説が挙げられる。ジョブ・サーチ理論においては,留保賃金(求職活動を停止する最低の賃金)が高くなると,求職期間が長くなり,摩擦的失業が増加する。また部門間移動仮説においては,労働者の産業間の移動が困難なことにより,構造的失業が発生する。
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