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書記が物理やるだけ#276 混成軌道

第2周期以降の原子を含む分子について,混成軌道という考え方を導入する。


問題


説明

混成軌道とは,原子が化学結合を形成する際に新たに作られる原子軌道である。中でも重要なのが炭素原子であり,炭素は,sp3・sp2・spと呼ばれる 3 種類の混成軌道を形成することができる。


解答

まずsp3から,メタン分子を例に計算してみる。波動関数についてs軌道1つとp軌道3つの組み合わせで示していく。


全体としては正四面体をとる。


sp2について,エチレンを例に示す。これは平面三角形を形成する。


最後にspをアセチレンから示す。形は直線形である。


アレンの中心炭素原子は2つのσ結合と2つのπ結合を持ち,2つの末端炭素原子はsp2混成軌道を持つ。末端の炭素同士は互いに直交しており,2つの炭素原子のそれぞれに異なる2つの置換基が結合した誘導体は、鏡映対称面がなくなるためキラリティーを持つ。


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