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CMRコモンカードPauper評価②

まえがき

 前回は統率者レジェンズ(CMR)のコモン落ちカードを紹介させていただきましたが、今回はCMRで登場したコモンカードの評価になります。
 とはいえ、既にプレリリースも終わり一通りカードに目を通されている人がほとんどでしょう。皆様ご承知の通りCMRでは今までまともな統治者カードのなかった青と赤に統治者カードが追加され、さらにはアーティファクトにまで統治者カードが追加されました。
 これらのカードの追加により、これまで以上に統治者をめぐる争いがゲームを決定することが予想されるので、使う側にしろ対策する側にしろ統治者カードには注意が必要だと思われます。

《虹色の笛吹き》

C_虹色の笛吹き

 通常の構築戦で使う理由はありません。
期待値:★☆☆☆☆
 そもそもレアリティがコモンではなくスペシャルなのでPauperでは使えないようです。確かに画像にはCではなくSとなっています。⇒ GATHERERで確認 (2020/11/26 訂正)

《武勇の選定師》

W_武勇の選定師

 これを採用したいようなアグロデッキでは、まず戦場に出すことすらままならないコスト設定です。能力を誘発してもマナが追加で必要なことも併せて使用されることはなさそうです。
期待値:★☆☆☆☆

《慈善の祝福》

W_慈善の祝福

 《チョー=マノの祝福》の上位互換、自身以外のオーラも外れることがないので、《ラゴンナ団の先駆者》をオーラで強化するような英雄的デッキでプロテクション(白)を指定する際も安心。
 コストに不特定マナが含まれているので《卓絶した特使》で軽減できるのも良いです。
期待値:★★★★☆

《キンズベイルの急使》

W_キンズベイルの急使

 3/2/1に加えてETB能力で+1/+1カウンターを1つというのはギリギリ及第点といったラインですが再演があるなら十分採用を検討できます。再演のコストが通常のコストと同じで軽めなため居住と組み合わせを狙い易い。(色もマッチしています。)
期待値:★★★☆☆

《蒼穹艦隊の提督》

U_蒼穹艦隊の提督

 青の新しい統治者カード。《宮殿の歩哨》《黒薔薇の棘》で実績のある4マナでスタッツも標準的。既存の統治者クリーチャーと比較するとブロッカーとしての性能は低いですが一方で統治者を奪われてもアンブロッカブル能力で統治者を取り返し易いため不満はありません。ガチガチのコントロールデッキよりあるていどプレッシャーをかけつつ戦うデッキには、むしろピッタリの性能かも。
期待値:★★★★★

《失墜》

U_失墜

 なぜか青にだけある2種類目の新統治者カード。統治者カード最軽量の3マナで、かつ疑似除去をしながら統治者になれるとありマウント性能が非常に高いです。一方で盤面が不利な状況で除去として使うには微妙すぎるため、メインから複数枚採用するかどうかは慎重にならざるを得ないところでしょう。
 最悪、統治者になるためだけに自分のクリーチャーを対象にする選択もあるので、ある程度の数のクリーチャーを採用したデッキで使いたいですね。
期待値:★★★★☆

《力強い否定》

U_力強い否定

 リアクションの続唱はただでさえ評価を下げざるを得ませんし、これを採用したいようなデッキは《対抗呪文》も採用したいコントロールにならざるを得ないでしょうからカードの特性がチグハグな感じが否めません。
期待値:★★☆☆☆

《帆凧の散兵》

U_帆凧の散兵

 基礎的なスペックが構築戦向きではありませんし、再演コストも重すぎます。
期待値:★☆☆☆☆

《宝物庫の追跡者》

U_宝物庫の追跡者

 基本性能は《歓喜する信者》なのでいうに及ばず。再演コスト次第では構築での活躍が見込めたのですが、さすがに7マナは法外でしょう。
期待値:★☆☆☆☆

《茨刃の達人》

B_茨刃の達人

 スタッツ5/3/4はETB能力が欲しいところですが残念ながら攻撃誘発。修整値も低く再演をあてにして採用するほどでもないため構築での採用はなさそうです。
期待値:★☆☆☆☆

《エルフの終末論者》

B_エルフの終末論者

 《貪欲なるネズミ》《泥棒ネズミ》になったように多人数戦に対応した《黒猫》かと思いきや残念ながら捨てるカードは任意。通常の対戦ではランダムディスカードのほうが重要でしょう。
期待値:★☆☆☆☆

《極上の狩りの達人》

B_極上の狩りの達人

 これもETB能力ならかなり良いのに死亡誘発なので微妙というライン。再演コストは通常のキャストより重くなっているので、よりスペックの低さが評価で重要になります。(つまり良くはない。)
期待値:★☆☆☆☆

《眼腐りの剪定者》

B_眼腐りの剪定者

死亡誘発の中身はかなり優秀ながら5/3/3のスタッツが非常に残念。いっそ生け贄にすることを前提に3/1/1とかだったらなぁ…といった感じ。
期待値:★★☆☆☆

《乗り込み部隊》

R_乗り込み部隊

 6/3速攻+続唱は目を見張る性能ですが6マナというコストはミッドレンジデッキであっても採用できるか際どいところ。続唱とマナ加速の相性が悪いこともあり構築をまとめるのは非常に困難だと思われます。
 個人的に思いついたのは《荊景学院の使い魔》《魔力変》を組み合わせたマナ加速。続唱で虚無が捲れないように配慮するなら《ほくちの加工場》のような2マナ土地の採用も検討したいところです。
期待値:★★★☆☆

《真紅艦隊の准将》

R_真紅艦隊の准将

 4/5/2は構築で採用したいスタッツではありませんが除去で対処されるだけなら統治者が残るため有利を維持できますので見た目ほど悪くはなさそうです。統治者を奪われてもパワー5トランプルにより1回だけなら統治者を取り返すことも見込めます。
 なにより、赤でここまで強力に、かつマナなしで継続的なアドバンテージを獲得できる手段は例がないため、アグロデッキの息切れ防止としてはこの上ないものになるハズです。
期待値:★★★★☆

《衝動的なこそ泥》

R_衝動的なこそ泥

 純粋なアグロデッキにおいては1/1/1というクロックの低さが足を引っ張るため、ある程度はコンボ要素のあるゴブリンのようなデッキでの採用になるかと思われます。《スカークの探鉱者》との組み合わせで2マナ分になるため、ヒストリックにおける《上流階級のゴブリン、マクサス》のようなカードが現れたら化けるかもしれません。
期待値:★★★☆☆

《苛立つアルティサウルス》

G_苛立つアルティサウルス

 コストが重いが相応に決定力の高いクリーチャーや有用なETB能力がありつつサイズはコストに対して微妙というクリーチャーはこれまでにもコモンカードに存在していましたが、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》のようにサイズが優秀かつ除去で応じられても1:1にならないといったクリーチャーはコモンカードで刷られることはありませんでした。その意味ではこれは画期的なカードであり、続唱とマナ加速との相性の悪さは気になりつつもランプデッキの到達点として魅力的です。到達により出したターンに盤面を止める力が強いのも嬉しい。
期待値:★★★☆☆

《流翼組の脱走者》

G_流翼組の脱走者

 このコストでETB能力なしはゲームへ影響を及ぼし難い。再演コストも決して軽くなく、タフネスがやや低めなのも気になります。
期待値:★☆☆☆☆

《自然の再生》

G_自然の再生

 これもリアクション呪文に続唱が付いた形ですが、盤面に触れるだけ多少はマシかもしれません。ただ効果がコスト相応とはいえ、サイドから入れるのであれば必要な局面で安定して使える信頼性が重要だと思いますので5マナのこのカードを敢えて使う理由は薄いかもしれません。
期待値:★★☆☆☆

《大渦の巨人》

A_大渦の巨人

 8マナのクリーチャーとしては《ウラモグの破壊者》の対抗馬になり得る性能です。圧倒的な制圧力をもつ破壊者ですが、やはり除去で応じられた時の脆弱性は無視できるものでないため、打ち消しにすら1:1を取られないというのは安定感があります。
期待値:★★★☆☆

《堅牢な玉座守り》

A_堅牢な玉座守り

 無色であるため、どの色でも採用可能な統治者ではあるものの青と赤に優秀な統治者が配られた現状では敢えてこれを採用する意味も薄いのかもしれません。親和のように色マナを安定させ辛く、かつアーティファクトのシナジーが見込めるというようなデッキでワンチャンあるかといったところ。
期待値:★★★☆☆

あとがき

 今回は期待値を5段階評価で付けてみることにしました。ざっくり星が4つ以上は強力なカードという認識で環境で見かけることが多そうだという評価。一方で星2つ以下はリミテ専用という評価でバッサリと1にしているものが多いです。
 星3のカードは構築で採用できる力はあるものの、すんなり入りそうな既存のデッキが無かったり、既存のカードとの選択になるためハッキリこちらのほうが優先されると断言できなさそうなカードです。
 ぶっちゃけ青と赤の新統治者が強そうだという以外は、あまり具体的に欠けることが少なくコモン落ちのカードを含め環境が大きく変わることは予想できますが、どう変化するのかは分からず来週のリリースが非常に楽しみです。

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