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AFRコモンカードPauper評価

ダンジョンズ&ダイス

MH2による環境の激変から1ヵ月、早いですが新セットのフォーゴトン・レルム探訪(AFR)がMOにリリースされます。
D&Dコラボという、どういう層にリーチしようとしているのか個人的には謎なセットですが、D&Dを象徴するダンジョンとTRPGではお馴染みのダイスという2つの要素がふんだんに盛り込まれた環境は異質で、リミテッドはかなり面白くなりそうという印象です。
一方で、ダンジョンは構築のゲームスピードでは展開に与える影響が少なく、ダイスは20が出れば強力な反面、それ以外の出目だと既存カードと同等以下というものが多く、構築環境へ入り込めそうなカードがあまりなさそうなのが残念です。

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《寺院の見習い僧》と《現実主義の修道士》を組み合わせたようなクリーチャーですが、対応できる幅が広く、防御的なデッキであればメインからの採用も視野に入りそうです。
もっとも、これで止まる2/2を主体に殴ってくるデッキがMH2の影響でだいぶ少なくなっているようですし、エンチャント主体のデッキも現状では多くありません。
破壊できるのがアーティファクトであれば文句がなかったのですが、今のところは記憶の片隅に留めておくくらいのカードでしょうか。

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リミテッドのためか、コモンにもダンジョン探索するカードは多いですが、これが一番安定的かつ継続的にダンジョン探索ができそうです。
攻撃に参加できるクリーチャー、これの設置コスト、装備コストと相当なリソースと時間をつぎ込むので、それなりのリターンを得たいですし、ライフを詰めるデッキであれば《ヴァルショクの鉄球》のほうが良さそうにも見えるので、程よくクリーチャーがいて程よくゲームに時間がかかる白系のミッドレンジで《狂える魔道士の迷宮》の踏破を目指すのが面白そうかなという印象。

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《ファイレクシアの憤怒鬼》を彷彿とさせる3マナクリーチャー。
分割での支払いができないぶん《スレイベンの検査官》よりマナ効率では劣りますが、十分に強力であることは変わりません。
《儚い存在》のようなカードでブリンクする場合には、余計なマナが不要という利点もあります。
白系のミッドレンジは4マナ以上に強力なカードが集中していて、土地を伸ばせる1ドローもゲームを伸ばせるブロッカー&ライフ回復の組み合わせもどちらもマッチしているので、期待の持てるクリーチャーです。

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《フェアリーの予見者》から占術が減っていますが、1/1飛行を展開しつつ僅かにリターンを獲得し、アーティファクトを参照するカードと良いシナジーを形成できます。
アーティファクトを参照するカードの多いデッキの筆頭である親和では1/1飛行の価値が低く、同コストに《魔法の井戸》が存在するため、これを使う理由はなさそうですが、親和で《深き刻の忍者》を採用したリストも前例がないわけではないので、いつか日の目を見ることがあるかもしれません。

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《高くつく略奪》の上位互換ですが、宝物・トークンという明確なリソースを追加で得られるため、かなりの強化といって良さそうです。
現在《高くつく略奪》を採用するデッキはありませんが、宝物・トークンを有効活用できる、具体的にはアーティファクトを参照し、《エイトグ》のためのリソースとしてカウントできる親和においてはロングゲーム対策として有用そうです。
過去にも、親和では《危険な研究》が《胆液の水源》をサクるための手段として採用されていた時期もありましたので、《胆液の水源》を採用するリストが増えている現在でこそ試してみたいカードです。

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既存の黒の2マナクリーチャーだと、戦闘ダメージ誘発の能力では「墓地のカードを追放」のような相手によっては無意味なリターンしか得られなかったため、宝物・トークンという目に見える形でリソースを獲得できるのは面白いところです。
しかし、黒単アグロのようなデッキだと、すぐに宝物・トークンの価値がなくなってしまうため、何かしらの工夫が要求されそうです。
いっそのこと、黒単コントロールのようなデッキで序盤のブロッカー兼、隙を見てマナ加速要員として使うのも良いかもしれません。

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黒によくいるタフネス2と相打ち可能な1/1/1ですが、-1/-1修整が有効でない局面でマナ加速に回せるという点で既存のものより強力になっています。
やはり宝物・トークンを有効に使う手段と併用する必要はありそうですが、黒の1マナクリーチャーとしては優秀なラインです。

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1枚のカードから2つのアーティファクトを展開できるため、色マナを要求されてしまいますが、親和の加速要員としてワンチャンありそうです。
親和だと《エイトグ》くらいしか装備先がないですが、《エイトグ》がアンブロになるというだけでも強力なため、隠し味としてリストに忍ばせたいです。

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《躁の蛮人》の派生として、相手がアーティファクトをコントロールしていない場合の補填として速攻が付与される《不遜な歓楽者》も好きなカードでしたが、こちらは宝物・トークンを貰えるため、より嬉しい場面が多そうです。
現在の環境は親和全盛のため、メインから採用できるカードは価値が高いですし、1回限りとはいえマナ加速要員であると考えれば、《乗り込み部隊》を採用するタイプのミッドレンジ・ランプデッキの3マナを埋めるカードとして見ることができるかもしれません。

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ダブルシンボルになっているものの、アンコモンだった《海賊の略奪》がコモンになったようなものです。
この手の呪文と相性の良い《実例指導》のようなコピー呪文とのシナジーを狙う場合には《胸躍る可能性》より大きなリターンを狙えます。
宝物・トークンは引いたカードを消化するために使えますし、ターンエンドに隙を少なく追加のマナを稼げるので、メインに《対抗呪文》を構えながら《うねる曲線》のような重い呪文を撃つなどビッグアクションをし易くなるため、コントロールデッキでの採用があり得るかもしれません。

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wikiによると《木登りカヴー》の上位互換が出たのは《サルーフの群友》が初めてらしく、そう考えると短い期間に立て続けに上位互換が出てきたものだと感慨深くもあります。
こちらは《木登りカヴー》とコストが同じで戦闘能力が向上した正統進化という感がありますが、如何せん《感電破》の圏内であるタフネス4が心細く見えてしまいます。
《乗り込み部隊》などから続唱すれば強そうですが、それは《乗り込み部隊》が強いだけ……かもしれません。

宝物、宝物、宝物!

今回はD&Dコラボという特殊な形態のセットですが、位置づけとしてはスタンダードでも使える通常のセットということもあり、カードパワーは全体的に抑え目でした。
その中でも、宝物・トークン絡みのカードは既存のカードからコストを変えずに追加で宝物トークンを出すようなものも多く、カードパワーが構築の水準に届いていそうなカードもありますので、《命取りの論争》を筆頭に試してみる価値はありそうです。
一方で、セットの顔であるダンジョンとダイスですが、どちらも構築では難しそうなこともあり、リミテッド意識で多くのカードが割かれているぶん、セット全体の印象が弱くなってしまっているのかもしれません。
あとは、せっかくD&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)のセットなんだからコモンにも優秀なドラゴンをもっとよこして欲しいものです。
(STXの《ドラゴンの接近》などドラゴン参照のカードは増え続けているのに肝心のドラゴンにまともなものがない現状……なんとかなりませんかね?)

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