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VOWコモンカードPauper評価

まるで昔の2セット1ブロックみたいだぁ(直喩)

『イニストラード:真夜中の狩り』から僅か2ヵ月ですが、もう次の新セットである『イニストラード:真紅の契り』のカードが全部公開となりましたので、コモン構築の目線で評価をば。

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同系統の除去は3マナ以上か、2マナ以下のものは対象に条件が付いていましたので、無条件で2マナになったのは今回が初めてです。マナ効率だけなら《未達への旅》と同等になったため構築で採用できる可能性も出てきましたが、《怨恨》をエンチャントする瞬間を狙えなかったり、《呪文づまりのスプライト》に干渉できなかったりとインスタントの持ち味は生かせないことが多そうです。
白を含むコントロールで黒や赤を使わないデッキで採用を検討するかどうか。

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訓練持ちのためサイズには期待できます。殆どの局面で攻撃時には2/3、他のクリーチャーを装備品でサポートするなどすれば4/5程度には育ちそうですし、その後に除去されてもカウンターを載せ替えて盤面をキープできます。
しかし、毎度のことですが単に優秀な白のクリーチャーを並べて殴るデッキがコモン構築で微妙なポジションなのは相変わらず。なにかしらのパラダイムシフトがなければ日の目を見ることはないでしょう。

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《解呪》がソーサリーになるだけで3点回復が付くならボーナスとしてはなかなかのものです。同系統のものは軒並み3マナに設定されていたので、その点でも差別化は十分にされています。欲をいえば「追放だったら文句なしだったのになぁ」というところ。

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強力なドロー呪文で、対抗馬は《多元宇宙の警告》、《綿密な分析》、《啓示の雨》等が挙げられます。どれも長所がありますが「トップ4枚から任意の2枚」というのは得られるリソースの質としてはスバ抜けていて、選ばなかったカードも墓地に置くことから、かの《嘘か真か》にも匹敵します。
一方で、短所は相手のエンドとはいえ4マナもタップしてしまうことで、インスタント除去に弱い、細かいパーマネントを積極的に展開していくようなデッキでは隙を突かれ易いです。
そのため、《秘密を掘り下げる者》や《深き刻の忍者》を展開していくようなテンポデッキではなく、フィニッシャーが《血まみれの書の呪い》であったり、《うねる曲線》と《投げ飛ばし》のコンボだったりのドロー・ゴータイプのデッキでこそ真価を発揮しそうです。

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《魔法の井戸》に似た親和のサポートとして期待できます。占術2と異なり序盤の安定には寄与しませんが、1マナで2つのアーティファクトを展開できるのは《物読み》や《マイアの処罰者》と相性が良く、《滞留者の相棒》が禁止でなかったら間違いなくこちらを採用したでしょう。近頃の親和は青マナより黒マナのほうが出しやすいマナベースにすることが多く、《命取りの論争》との相性は《魔法の井戸》よりも良さそうなので、枠の入れ替えが検討されそうです。
また、黒の信心を稼ぎながら手札を回転させられ、最終的にはアドバンテージを得られるという特性から黒単コントロールのようなデッキでの採用も見込めそうです。

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3/2/2、飛行+《死者再生》のスペックは十分に構築級。問題はライフ回復の条件をどう満たすかで、そこでマナを使うようだと効率的に構築では微妙という評価になってしまいそうです。ライフ回復を軸にするデッキが成立するようになったら採用候補になるかもしれません。

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軽いサクり台として優秀。《村の儀式》を採用するようなデッキでは少しでも多くの生け贄手段が欲しいので、これも採用圏内でしょう。テンポロスを抑えるために2/2/2として展開した場合でも及第点なのも良し。

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アンコモンの《組み直しの骸骨》のコストと起動コストが調整されたバージョンですが、これを採用するデッキでは何度も能力を起動するであろうことを考えると起動コストが3マナとなっているのは使いづらくなっているとも言えます。
しかし、コモンのカードとしてはユニークな能力ですし、《療養所の骸骨》を回収して唱え直すのと比較すれば1マナ軽くもなっているので、サクリファイス系のデッキで採用してみるのも良さそうです。

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ソーサリーではありますが《果敢な一撃》と同じ強化効率ですし、さらにトランプルまで付与されます。加えて重ねて引けばさらにパワーがプラスされることからも英雄的のシナジーを利用するようなデッキでは選択肢になりそうです。
他にも《窯の悪鬼》のようなパワー上昇系の能力を持つクリーチャーや《多角ミノタウルス》といった二段攻撃持ちなど、組み合わせてみたいクリーチャーは多いです。

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《猛火の斉射》の上位互換で最初はプレインズウォーカーにもダメージが入るようになっただけかと思いましたが、なんとプレイヤーにも飛ぶようになっていました。これによりバーンのサイド候補としてより魅力的になっています。
この1点が直接ゲームを分けることは少ないとは思いますが、《批判家刺殺》の絢爛の達成に貢献したり、衝動ドローで捲れて今しか打てないという場面でも無駄にならなかったりと確実に相性が良くなっているのは評価が高いです。

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《火付け射手》のP/Tが異なるバージョン。私見ですが、コモン構築の環境ではパワーが2あることよりタフネスが3であることのほうが圧倒的に価値が高いです。
《火付け射手》は一時期のバーンではメインで採用され、現在でもサイドとしてはメジャーですが、こちらはサイズが向上したことにより範囲除去やティムに耐性ができたことから再度メインでの採用を検討されるかもしれません。

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『イニストラード:真紅の契り』の注目カードである赤単色の(疑似)2ドロー呪文。コストも《夜の囁き》と同じ2マナで効率も十分。捲れたカードをキチンと消化できるように構成されたデッキでは非常に強力です。
同じ効果を持った《舞台照らし》がパイオニアのバーンで殆ど4枚採用されているのを見るに、コモン構築でもバーンでの採用の可能性は高いです。
懸念点として、コモン構築では《裂け目の稲妻》(追放領域からは待機できない)や《焼尽の猛火》(相手のクリーチャーがいないと打てない、土地がセットできないと弱い)といった、やや相性が悪いカードが多く採用されていることが挙げられますが、それを補って余りあるパワーがあると思います。

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出たターンに1点を飛ばしながら血・トークンを出せるので強化版《怒り狂うゴブリン》といったところ。マナフラッドに非常に弱いスライ系のデッキの弱点をカバーしながら、中盤以降にトップから引いても確実な1点を刻みつつ1回のチャンプブロックが可能(その間に血・トークンで火力を探しに行くなどできる)。1マナのクリーチャーにしては出来る仕事が多いです。

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ありそうでなかった1マナのトランプル付与+まともなP/T修整をそなえたコンバットトリック(《不自然な捕食》は流石にまともではない)。
今さらストンピィにこの手の《巨大化》が欲しいとは思いませんが、感染のようなデッキであればワンチャン。

無色

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かつての宝物・トークンを生成する《もぎ取り刃》の血・トークン版かと思いきや、誘発は戦闘ダメージであればなんでもよく、なんならチャンプアタックやチャンプブロックでもよいため非常に使い易くなっています。
元より、すぐに価値が低くなりがちな宝物・トークンと違い、血・トークンはゲームが長引けば長引くほど価値の高くなる性質でもあるので、適度にクリーチャーを展開しながらリソース交換を繰り返すようなミッドレンジタイプのデッキでこそ輝く装備品かもしれません。

ネクストレベル・バーンの時代?!(来ない)

古くから存在し、《熱錬金術師》などのクリーチャーの強化、《批判家刺殺》などの火力の強化を細々と貰いながらtier2くらいの位置をキープし続けている赤単バーン。だんだんと周りの強化に取り残され気味になってきたかと思いきや、ここで《無謀なる衝動》というデッキのパワーレベルが一段階アップしそうな強化を貰うことができました。
どれだけ強化されても所詮コモン構築のバーンは《呪文づまりのスプライト》と《深き刻の忍者》という天敵により王座にはなりえない宿命ではありますが、また数年はtier2の位置をキープできそうなので使用者としてはホッとしています。
願わくば次はまたクリーチャーの強化を貰えたらいいなと思う次第です。(WotCさん《僧院の速槍》のコモン落ち待っています。)

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