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CMRコモンカードPauper評価①

まえがき

2020年11月6日深夜(日本時間)に統率者レジェンドの全カードが公開されました。
というわけで新たにPauper環境で使用可能になったカードをレビューしていくわけですがコモン落ちカードと新カードに分けて見ていこうと思います。今回はコモン落ちカードです。

《空鯨捕りの一撃》

W_空鯨捕りの一撃

 《復仇》系の除去ですが、閾値が3になっているので範囲が広いです。とはいえパワー3以上が並ぶデッキは親和程度しかなく、当たり所がまったくないわけではないもののメインからの採用はリスクが高く感じます。同じマナ域に《外身の交換》などもあり見かける機会は少なそうです。

《上昇スリス》

W_上昇スリス

 色は違いますが、より条件の緩い《野蛮な大喰らい》なども全然使われていないところを見ると3/1/1飛行の攻撃はそうそう通らないと考えて良いでしょう。それでいて除去にも弱く3マナを注ぐにはリスクが高すぎるカード。

《想起横溢》

U_想起横溢

 非常に使い勝手の良い回収カード。ロングレンジのゲームが前提になりますが状況に合わせて除去・打消し・ドローを任意に回収することで優位を保つような使い方がメインになるでしょう。《神秘の指導》によるシルバー・バレット戦略を採用するデッキでクリティカルな呪文を使い回せると効果絶大です。

《突風撃》

U_突風撃

 《排撃》の下位互換。

《スカーブの大巨人》

U_スカーブの大巨人

 サイズは申し分ありませんが、まともに6マナを揃えて大きいだけのクリーチャーを出すという環境でもないですし、リアニメイトなどを絡めた早出しをするなら他に良い選択があるでしょう。

《眼腐りの虐殺》

B_眼腐りの虐殺

 新しい全体除去ですが、同コストに《エヴィンカーの正義》がいたところですので選択肢が増えるにとどまります。ダメージでなくマイナス修整である点やプレイヤーへのダメージがない点はコントロールデッキにおいては好都合ですが、エルフを除去できないというのは無視できないデメリットなので目に見えて優秀という訳でもないのが微妙。

《肉袋の匪賊》

B_肉袋の匪賊

 同系統のクリーチャーに《深淵の門番》《貧民街の刈り取るもの》がいましたが、前者は自身を生け贄にする以外の選択がほぼないので《残酷な布告》にしかならず、後者は重さゆえに自身を生け贄にするという選択がとり難いのが欠点でした。
 これは使い捨てる《薄暮軍団の盲信者》などを生け贄にして3/1を残せたら美味しいですし、有効な局面であれば3マナの布告としての運用も可能と非常に機能的なカードです。

《マルフェルドの双子》

B_マルフェルドの双子

 優秀な死亡誘発を持っていますが6/4/4は少し迫力不足でしょう。追放除去やバウンスを考慮すれば《グリクシスの奴隷使い》《第一球層のガルガンチュア》に軍配が上がります。

《炎のチャンピオン》

R_炎のチャンピオン

 呪禁のないクリーチャーをオーラで強化して突き進むような戦略は環境でメジャーではありませんが、そういうコンセプトのデッキを組むのであれば非常に強力なパーツになります。タフネスが大きく上昇する点が素晴らしく《噛み傷への興奮》のような攻撃強制のオーラを付けても気にならないでしょう。

《焦熱の連続砲撃》

R_焦熱の連続砲撃

 これまで4マナ・ダブルシンボル・ソーサリーが基準だった2点全体除去のラインを一気に超えてきた高性能の全体除去。海賊に当たらないという点も環境で採用されている海賊がほとんどいないこともありメインからの採用も気になりません。
 《炎樹族の使者》からの横展開を主軸とするアグロデッキに対して有効なことはもちろんインスタントであるため《呪文づまりのスプライト》《深き刻の忍者》のシナジーを生かすテンポデッキに対しても機能しそうです。シングルシンボルであるためトロンでの採用も容易なため非常に見かける機会の多いカードになることは間違いないでしょう。

《間に合わせの砲弾》

R_間に合わせの砲弾

 コモン構築では珍しいシステム系のエンチャントで優秀なサクリ台です。単純にハスク系のデッキで安定性のあるサクリ台としての採用はもちろん《拷問生活》《交換される牛》のコンボで無尽蔵に生成できる食物・トークンを有効活用する手段としての活躍に期待が持てます。

《空荒らしの巨人》

R_空荒らしの巨人

 《砲塔のオーガ》の下位互換。

《造命師の贈り物》

G_造命師の贈り物

 +1/+1カウンターを置きつつ増殖をするようなカードですが、対処を取る強化呪文として4マナは大振り感が否めません。

《イロアスの武器庫》

A_イロアスの武器庫

 《ヴァルショクの鉄球》と同じ設置コストおよび装備コストですが鉄球のバリューを上回るには時間がかかりすぎます。+1/+1カウンター周りのシナジーを生かせるデッキでどうかというところ。

《炭色のダイアモンド》などダイヤモンド・サイクル

A_炭色のダイアモンド

 サイクルのどれにしても印鑑サイクルより優先する理由に乏しいです。

《金線の使い魔》

A_金線の使い魔

 分かりやすく使いやすい対アグロ用のクリーチャー。出た瞬間にライフとブロッカーを提供し除去により対処されてもカード損をしません。
 死亡誘発がドローと優秀なのでハスク系のデッキでの採用も面白そうです。

《鋳造所の検査官》

A_鋳造所の検査官

 悪くないスタッツとアーティファクトの展開を助ける能力により単純に親和のようなアグロデッキで採用できそうなのはもちろん《マイアの回収者》《アシュノッドの供犠台》を組み合わせるようなコンボデッキにおいて《古きものの活性》からサーチ可能なコンボパーツとして価値が高いです。

《憑依の外套》

A_憑依の外套

 《闊歩するものの装具》と設置コストおよび装備コストが同じですが、警戒とトランプルの付与は元々のサイズが大きいクリーチャーに装備する際により価値を高めます。とはいえ、現状で採用したいデッキがあるかというとそうでもなさそうです。

《吠えたけるゴーレム》

A_吠えたけるゴーレム

 継続的なドローをもたらすカードではありますが扱いに癖がありすぎる気がします。単純にクリーチャーとしての性能は低く盤面に残せるのかも微妙かつ除去された際のテンポ損が大きくなるラインでもあるので、よほど捻ったデッキ出ないと活躍は見込めないでしょう。

《ジェイラム秘本》

A_ジェイラム秘本

 《ジェイムデー秘本》に対してあった設置コストの軽さという利点が《眷者の装飾品》に対しては完全にひっくり返ってしまっています。この手のカードを採用するデッキにとって起動コストの2マナの差というのは問題になりづらく、純粋なアドバンテージ獲得手段としては格落ち品。マッドネスを採用したデッキで価値を見出せるかどうか。

《ルーメングリッドのガーゴイル》

A_ルーメングリッドのガーゴイル

 《ウギンの末裔》が既にいますし、アーティファクトになった利点は薄いでしょう。

《幽体の照明灯》

A_幽体の照明灯

 《マナリス》のバリエーションとしては《眷者の装飾品》が強すぎて比較対象になりません。

あとがき

 開発の人もTwitterで話題にしていますが、統率者レジェンドのコモン落ちはコモン構築環境に大きな影響を与えるでしょう。
 特に全体除去の性能が大きく向上した影響は甚大かつタフネス2以下を全く採用しないアグロデッキというのも現実的ではないため、何らかの対応を余儀なくされることは必至です。
 幸いにして自分が良く使う赤単バーンは《熱錬金術師》のタフネスが3なので、《ギトゥの溶岩走り》を複数並べるような展開のときにだけ気を付ければいいので、そこまで大きく変化させる必要がなさそうです。(強烈なバーン対策になるクリーチャーもコモン落ちしているのですが……)

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