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コロナで思う、食品ロスのこと

食品ロス(フードロス)とは、「本来食べられるのに捨てられてしまう食品」のことをさします。新型コロナウイルスでの活動自粛もあり、「食品ロス問題」をよく聞くようになりましたね。

中国でコロナが発生した当初、私はワーキングホリデーの真っ最中で、オーストラリアで仕事をし、暮らしていました。オーストラリアで感染者が確認されてからも、比較的通常通りの生活ができていたのですが、トイレットペーパーが商品棚から消え去るほど、オーストラリアでも人々の買い溜めが始まり、米・パン・麺類などの主食系の食品がほぼ無くなると言う状態。そこから缶詰系と日持ちしやすい食品が品薄と他の食品へ連鎖していきました。

日に日にスーパーマーケットから食べ物が消えていく、少し恐怖感を覚える。

1人が消費できる食べ物の量はさほど大差ないとは思いますが、日本に比べると、オーストラリアの冷蔵庫や貯蔵庫は大きく、家の面積も広いため、各家庭が大量購入しても保管しておけるスペースがあったと言うことも、もしかしたら上記の要因の一つかもしれません。


その後に、日本へ完全帰国し、約1ヶ月間で関東、九州、北海道と場所を移動しながら食品について、感じたことが一つ。

日本は食品が充実しているな。

と言うこと。もちろん、おうち時間が増え、お菓子作りなどの需要が高まったことにより、一部の食品が品薄状態になっていたことはありますが、私がオーストラリアで感じた「食品が消えていく恐怖感」と言うことは微塵にも感じませんでした。


「コロナの影響で輸入を規制していたとして、日本って自給率低いんじゃなかったっけ?」という疑問。


農林水産省によると、コロナが発生してから「一部で輸出規制をしている国はあるものの、日本の輸入に影響はなく現時点では物流の遅れなど明確な影響は見られない。」ということを確認したそうです。

「そもそも、本当に日本の自給率が低いのか?」に焦点を当てると面白いことが。

平成30年度の食料自給率は、37%

この37%と言うのはカロリーベース。生産額ベースでは66%。と発表されています。

「あれ?66%ってぼちぼちいい感じな気がする。」っと。

カロリーベースというのは、その名の通りカロリー(栄養価)で出されている数字で、コメや野菜の自給率は約90%を超えていて、それらのカロリーが低いので「カロリーベースで割り出された食料自給率が低くなる」という訳のようです。さらに面白いのが、畜産系の餌が輸入品が混ざっているなら、その割合分、カロリーの数値が下がるとのこと。


輸入がさほど滞っておらず、生産額ベースの食料自給率は66%。そうなると、なぜ食品ロスが大量に出てしまっているのか?という単純な疑問が湧いてくる。「1人が消費できる食べ物の量」が単純に減っただけか?学校給食がないとはいえ、昼食はどこかでとるだろうし、外食に行かないとはいえ、食事はどこかでとるはず。一つ思うのは、海外からの観光客の減少は大いに関係あると思います。

ただ、「食品ロス問題」と言うのは、元々は日本にあった課題。

2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標の

SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」


この中にも、食品ロス削減は具体的な目標として掲載されているのですが、調べてみると、日本の食品ロスの量はアジアでワースト1位のようで、毎年約50kg /一人当たり、食品ロスを出していると。

その内訳として、購入したものの食べきれず、捨ててしまうような、

半分は、家庭から出た食品ロス。

残りの半分は、「トマトのヘタが取れてしまったり、傷汚れが少しでもついてしまうと売り物に出来なくなる」と言うような、規格外品や売れ残り、飲食店での食べ残しなど。


安倍首相が、コロナ関係の会見で「食糧不足の心配はいらない」と言っていた理由がしっかり理解できたこと。っと同時に、世界の飢餓人口は8億2160万人。 9人に1人が飢餓に苦しんでいる中、日本がかなりの食糧の飽和状態であることに気づかされました。



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