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思い出「本当の甘酒 その2」

【試作会】


小学1年生の時
学校祭が開催される事になり
俺と岸さんと言う女の子2人で
甘酒店を出店する事になった。

この時出店する甘酒は
俺の父親から教わった「酒粕」の甘酒。

この甘酒を学校祭の前に1度だけ
家庭科室で為にしに作れる事になった。

これは
学校祭で料理を出す人用に
学校が家庭科室を開放してくれるもの。

でも
料理を出店する人は
結構たくさんいて順番待ちになる。

我々もその順番の抽選会に行き
くじを引いてきた。

何番目か忘れたけど
初日じゃなかったはず。

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【みんな敵】


そしてこの日に備え
買い物に行かないとならない。

教えてくれたのが俺の父親だから
父親と一緒に買い物に行く事にした。

買い物する場所は
住んでいる団地の1階にある
「タジマショッピング」というスーパー。

だけど離れた所に住んでいる岸さんに
「男なんだから迎えに来てよ(´∀`*)ウフフッ」と
非常に面倒くさい命令をされてしまった。

俺は
何か納得いかず
この事を父親に話した。

父親の返答は
「そりゃ男が迎えに行くのが当たり前だな」
そう言われてしまい
俺の味方がいなくなった気がした。
ビェ──・゚・(。>д<。)・゚・──ン!!

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【男たるもの】


そして買い物の日
朝10時過ぎに岸さんを1人で迎えに行き
タジマショッピングまでエスコートしてきた。

このとき岸さんは
なんだか凄く上機嫌で
鼻歌を歌ってる。

岸さんがご機嫌だと俺の方まで
なんだか嬉しくなり
遠回りした面倒くささを忘れられた。
ヽ(*・ω・*)ノ ランランラン♪

そしてタジマショッピングに到着すると
父親がベンチでタバコを吸って
しっかりくつろいでいる。プハァ( ´Д`)y-~

俺は
「やっと本当の目的の買い物ができる!」
そう安心した。
( ´Д`)=3 フゥ

でも父親は
たばこを吹かしながら
俺に1枚のメモを渡してこう言った。

「ここでパパが待っててやるから
2人で買ってくるのだ(*`∀´*)」
そう言われてメモをとお金を渡され
強制的に行かされてしまう。ヽ(゚`Д´゚)ノ

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【店内探索】


俺は
1人でこのお店の物を買い物するなんて
初めてだった。

どこに何があるのか解らず
岸さんと手分けして店内を歩き回り
探してみた。
オロオロ((;д;`≡´;д;))オロオロ

買う物は
酒粕と
きび砂糖の2つのみ。

でも俺は
全然見つけられず迷っていたので
近くのおばさんに聞いてみた。

そうしたら
そのおばさんが売り場に案内してくれて
あっさりと揃える事が出来た。

でも
手分けして探しに行っていたから
岸さんの行方が解らない。

そして俺は
岸さんに材料がそろった事を報告しに行く為
また店内を探し回る事になる。
ヽ(д`ヽ≡アタフタ≡ノ´д)ノ

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【ソ~セ~ジ試食】


俺は
岸さんを見つける為
店内を結構探し回った。

そうしたら岸さんは
何とソーセージの試食販売している所で
試食をしているでわないか!
工工工エエェェ(*゚д゚*)ェェエエ工工工

そして俺は
急いで岸さんに
材料がそろった事を報告しに行った。

その時の岸さんが俺にかけた言葉は
「ありがと~(´~`)モグモグ」
「私も探したけど飽きた~(´~`)モグモグ」
だった。ヽ(# `Д´)ノ

でも俺は
怒りよりもソーセージが食べたくて
俺もお姉さんにソーセージをもらい
一緒に食べてしまった。(´~`)モグモグ

その後レジに並び
会計を済ませて父親の所に戻ったら
父親は
ベンチで昼寝をしていた。(˘ω˘)スヤスヤ

そして父親を起こして
これで買い物終了だ。
(´-ε-`)ムニャムニャ

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【送り迎え】


しかし父親に
「お前男なんだから岸さんをちゃんと
家まで送っていくんだぞ(*`∀´*)」
そう命令されてしまう。

岸さんの方を見ると
腕を組んでニコニコしていた。

まるで「当然でしょ(´∀`*)」と
言わんばかりの顔だ。

俺は
この瞬間面倒くさかったが
帰り道ずっと岸さんの機嫌が良く
何だか俺も気分良くなった。(*ノ∀`*)ウフフ♪

このあと
無事岸さんを送り届けて
帰宅する事が出来た。

そして数日後
我々が甘酒の試作が作れる日が来た。

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【毒見】


この日に備え我々は
甘酒を10人分くらい作れる量を用意して
準備万端だった。

そして早速我々は
酒粕の簡単な甘酒を作ってみた。

作り方は
父親がくれたメモに書いてあり
しかも凄く作るのが簡単だ。

酒粕を水に入れ
沸騰させて酒粕を溶かし
きび砂糖をドバドバ入れる
ただそれだけだった。

そして完成して2人で試飲してみた。
( ^^) _旦~~

最初岸さんが1口だけ飲んで
「お酒だから飲みにくいけど…
でも甘くておいしい~( ´ー`)プハァ~」
その返事を聞いて俺も早速試飲してみた。

でも俺は
凄く甘くて美味しいけど
アルコールの味がして1口しか飲めなかった。
( *゚Д゚)・;'.、グハッ!!

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【残り物】


このアルコール入りの甘酒を
岸さんは
多分おちょこ1敗位飲めていたはず。

そして何故か
我々の所に6年生の女子達が集まってきた。

6年生の女子達
「この家庭科室に充満した
アルコールの匂いに釣られて来たんだ(*'▽')」
そう言っている。

そこで我々は
アルコール入りの甘酒をもう飲めないので
上級生たちに飲んでみてと進めてみた。

そしたら6年生の女子達に大うけで
「ビールよりうまいじゃん!」と
凄く喜ばれる。

そしてあっという間に
我々が作った甘酒を飲み干してくれた。

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【材料費】


でも上級生たちの
「ビールより旨いじゃん!」と言う言葉を聞き
ふとある事に気が付いた。

それは
「どうやら
6年生の女子達は既に
家で親にお酒を飲まされているんだな」と。

しかし
我々が作った甘酒が凄く好評なのが解り
俺と岸さんは
「この甘酒大成功だ!」と確信した。

そして我々は
超ご満悦で
当日の学校祭が凄く楽しみになってきた。
( ^∀^ )((o(*´∀`*)o))わくわく♪

でも
学校祭の甘酒代は
保護者が出さないとならなかった。

実は
この頃の学校祭準備資金は
学校側が出してくれず
全部保護者負担だった。

当時埼玉県は
給食費も毎月払い
遠足代や就学旅行も積み立てだった。

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【予算配分】


そんな状況の中俺は
親に学校祭で出店する甘酒の材料費を
「たくさん作るから買ってね(*'▽')ウフ」
と頼んでおいた。

この時父親と母親は
少し困った顔をしていたが
用意しておくと約束してくれた。

そしてある日俺は
母親に喫茶店「フレンズ」連れられて
岸さん親子と一緒にパフェを食べさせてもらう。
(*n'∀')n ウマウマ🍧

この時母親たちが何やら
親密な話をしているので聞いていた。

その内容は
「学校際の材料費を折半にして
予算的に100人分位しか用意できそうにないね」
そう話していた。
(∩゚д゚)ヨワッタ~

俺は
100人と言う数の大きさに驚き
「そんなにすごい人数分売れるのかな?」と
疑問に思ってしまった。

しかしこの後開かれる学校祭の時
100人分じゃ足りない事になる。

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