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ラジオ体操

日本で生まれ育ったならこれ知ってるはず。それも全都道府県おかまいなしに。
そんなのあるでしょうか?
例えば日本人なら将棋が出来る、いやいや、ブラジル人ならサッカーができると同じ程度の妄想に過ぎません。ムスリムならクルアーンを暗唱できるというのはありそうですが、日本育ちは憲法前文も暗誦できないでしょう。

じゃあそんなのないのかな、暇に任せて考えていたら「もしかしたら…」
以下サスペンス風に書きましょう。

「警部、あいつゲロしませんよ」
「なに、日本人だと言い張ってるのか、確かに普通に日本語喋るし、雑談の内容もおかしなところはない。だがあいつはここ数年前日本に来たはずで、それ以前は日本にはいなかったはずだ。スパイ容疑なんだが…。でどこの生まれと言っているんだ」
「はあ、能登で生まれ育ったとか。」
「じゃあ能登の小中学校に通っていたということか」
「その通りです。小学校は輪島市立○○小学校、中学は△△中学校と行っています。」
「学校に卒業生の裏は取れたのか」
「それが過日の大震災で津波と一緒に記録が全部紛失してないんです。あいにくその頃の先生は皆さん物故者で…」(←この辺、砂の器風)
「じゃあお手上げじゃないか、こりゃ勾留を続けるの難しいな」
「あの~警部」
「おお、なんだ落としの山さんいたのか」(←この辺から、太陽にほえろ、露口茂風で)
「一つ試してはどうかということがあるんですが…出来れば日本育ち、出来なかったらそうじゃない、というの簡単にわかります」
「なんだ、そんなのがあるのか」
「はあ、日本の小学生なら絶対にできることです」
「なんだ、九九か?」
「いやそんなの覚えればいいだけでしょう。頭じゃ忘れることがあっても、身体にしみついたものがあるんです」
「わかった溺れる者は藁をもつかむだ。試しにやってみよう。おい、山さんを取調室に案内しろ」

しばらくたって

「警部、ゲロしました、あいつは日本育ちではありません」
「よくやった、しかしどうやったんだ山さん」
「ラジオ体操第一ですよ。あれは曲がかかれば絶対に体操が出来る。小学校では毎週一回はやっていて体に染みついているはず、夏休みなんか毎日やっていましたからね。でもあいつは全くできなかった。ラジオ体操第二なんて惨憺たるものでした。」

どうでしょうか。ラジオ体操は植民地時代の半島や台湾ではやられていたようですが、今はほとんどないようですし、他の各国を見てもない。そりゃそうだ、中国なら太極拳の方がポピュラーだしインドはヨガでしょうからね。


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