見出し画像

ジャズ喫茶って

ガーディアンの記事を見て久しぶりにジャズ喫茶の空気を思い出しました。やっぱりジャズ喫茶は日本が誇る文化なんです。

大学生の頃は四谷の大学だったので、「いーぐる」にはよく行きました。週一で通ったかな。当時はCDもなくアルバムだったので、片面しっかり聞くことが出来ましたし、色々なジャズがかかってよい勉強になりました。

その後広島に戻りましたが、ジャズ喫茶とは縁遠くなりました。バブル前でジャズ喫茶よりジャズバーの時代でしたからね。
ググってみるとジャズ喫茶は「ミンガス」「中村屋」「ラ・カスエラ」くらいしかないようです。
ミンガスは夜営業ですし、カスエラはスペイン料理メインのようですから、昼からたっぷり居座れるジャズ喫茶ってもうないのかもしれません。ちなみに「中村屋」は私の勤務先から至近ですけれど、ランチを食べに行くくらいでジャズ喫茶ではないなぁ。

昨年だったか、映画「ジャズ喫茶ベイシー」を見て、コロナ禍でジャズ喫茶は大変だったことを今更ながら知った次第でしたが、その後も近場にないし、出張の機会も激減したのでなかなか行けていません。

ジャズ喫茶はLPを良いオーディオセットで、大きな音で聞く。本当は小さなジャズクラブやスタジオの空気感を再現するような音で聞くというのが一つの売りだったと思います。当時から家で大きな音で聞くと近所、あるいは同居の家族から怒られますから、ヘッドホンで聞くのが精いっぱいでした。
それだけに周りの空気の振動を含めてコーヒー一杯の料金で全身で音楽を聞くという場所は、ジャズ喫茶しかありませんでした。

今でもそうじゃないかな、でも先日アップした「ちんどん屋、響き…」というのでも紹介したニール・ヤングの「音楽を感じろ: デジタル時代に殺されていく音楽を救う二ール・ヤングの闘い」にあったように、今はデジタル音源で聞く、あるいは携帯オーディオ、スマホで聞いて育った世代が増えていますから、こういったアナログの音(実際の演奏もアナログ)を全身で聞くという経験が無くなったのではないでしょうか。

また音楽のサブスクサイトから「お薦め」を聞くというのは、「あなたのお好みはこれじゃないですか」と紹介されるので、全く違うジャンルや演者の曲を聞く入り口ではないでしょう。
ジャズ喫茶の店長の好み(推奨)を聞くというのは、自分では選ばない演者のLPを聞く、それもキャッチーなリフのある1曲を聞くだけで、後は飛ばすというのではなく、アルバム片面30分近く聞くことによってわかることがありました。
その後アルバムからCDになりましたが、これはアルバムと違い掛けっぱなしだと同じ演者を1時間聞くことになります。合えばいいけれど、あまり得意な音じゃなかったらこれもねえ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?