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廃止候補路線の旅(山口編)前半

さて金曜にアップしたように、この土日は廃止候補路線の旅(山口編)に行ってきました。廃止候補の「山口線」「山陰線」「美祢線」「小野田線」「宇部線」「岩徳線」でおまけで「錦川清流線」でありました。
先ずは土曜日の方から。

最寄りの西広島駅まで女房に送ってもらい、駅の券売機で「西日本どこまで4DAYS」を購入。予約済みだったのでカードを入れるだけで発券されました。

西日本どこまで4DAYS切符

まずは6時西広島駅発の山陽本線の岩国行きのRed Wingに。この時間はまだ乗客はチラホラですが、1両に30人程度でしょうか。

RedWing到着

土曜日の早朝ですが、新井口で結構降りて、社内は15人程度。お仕事はご苦労様ですが、学校はもう春休みに突入の時期ですから、部活に行く生徒さんくらいでしょう。
40分くらいで岩国に到着。その間、少ない駅でも数人の乗降はありましたから、やはり基幹路線だと納得。

岩国で向かい側のホームに止まっていた下関行きに乗り換え。Red Wingからの乗客は1車両10人で、山陽本線を一路西に向かいます。

下関行きに乗り換え

だいたい私は徳山までは駅の名前が浮かんでくるので、その辺りまでが理解の範疇でしょうか。でも徳山を出て防府を過ぎると聞いたことのない駅が続きます。防府の次の「大道駅」も車窓から外を見ると周囲に何もないところに巨大な学校がそびえ、学校には「全国大会優勝」とかの垂れ幕がたなびいています。「山口高川学園中学校・高等学校」だそうで、なるほど甲子園を始め、全国大会に出るだけあって立派な野球場や、体育館が目につきます。この学校が無ければ「大道駅」は無人駅かも…と思いました。

さて岩国から2時間ちょっとで新山口に到着。

新山口駅に到着

さていよいよ最初の廃線候補路線である山口線に乗り換えです。山陽本線のホームから跨線橋を渡って1番線の山口線に。廃線候補とあって少ないかな、と思いましたがいやいやそんなことはありません。高校生や大学生風の人が結構乗り、4両編成の内1両は同じ高校の生徒で一杯。もちろん最後尾に乗った私の車両は片手ほどの乗客でした。山口を9時前に出発です。

山口駅を出発

山口駅を出て山陽線と離れる所にきかんしゃトーマスにも出るような転車台があり、しもうたスマホ出しておけばよかった…というところがありました。これは帰りに新山口の新幹線からの車窓でとりましたが、是非お見逃しのないように。この写真のずらりと並んだ車両のすぐ上側を山口線が走るので、なかなかの見ものでした。

新山口駅転車台

ようやく電化していない路線なので、ディーゼルになり、おしりもポカポカ、快適な振動です。単線なので途中駅で通過待ちもあり、ローカルムードが高まります。この電車の終点山口駅の一番線には30分程度で到着。この先の山口線はここから車両が替わりますが、待ち時間が16分あるので、この先の道中のことを考えて駅のトイレ(大)に行くことにしました。ホームのトイレには先客がいたので、一度外に出たトイレを使うことに。
改札を出て左手にある男子用トイレ個室(和式)に入り、ズボンをおろそうとしてトイレットペーパーが付いていないことに気がつき、慌てて履きなおしました。今どきトイレに紙のないところって…とは思いましたがローカル路線だから仕方ないか、でも県庁所在地の駅なのにね。
さて男子トイレを出ると隣に多目的トイレを発見。外から見るとここには紙が用意されていたので、こちらを拝借しました。これで長い道中安心です。駅のコンビニでチョコを買い、再び改札を通って跨線橋を越え三番ホームの益田行に乗り換えます。意外というか、予想もしていましたが、1両のこの列車には鉄オタが7割、一般客2割、観光客1割くらいの比率のようです。鉄オタはカメラやスマホを手放しませんし、鞄からは時刻表が出て来るのだから、一見してわかります。彼らはホームから写真バチバチ取ってましたし、道中もカメラで車窓を取るのに夢中でした。9時38分に山口を出発、いよいよ1両ディーゼルというローカル列車を実感。

山口駅で乗り換え

この列車はだいたい20人くらい乗っていましたが、残念ながらトイレに行っていたので、四人掛けの進行方向反対の席しかありませんでした。
11時前に津和野に到着。ここで観光客の方がおりましたが、時間調整で15分待ちとのことで、私も一度改札の外に出ましたら、そこでは石見神楽が上演。「塵輪」でありました。「塵輪」は大陸からくる悪鬼の話なので、丁度コロナ禍ではウィルスなどの感染症になぞらえていましたが、その悪鬼を帯中津日子(たらしなかつひこ)=後の仲哀天皇が退治する、まことに時機にあった演目を少し拝見できました。

塵輪

待合室には駅弁が売られていたので、一つ購入。「かしわめし弁当」ですがSL復活運転記念だそうです。

かしわめし弁当

蓋を開けると、かしわ、錦糸卵、のりの三食に山菜のお弁当です。

かしわ三食弁当

出発までに少し時間があったので、道中揺れるとこぼしそうだからと、向かいの人に断っていただきました。かしわは随分炊き込んでありますが、その下にあるご飯には味はそれほどしみていないので、あっさりといただけました。丁度食べ終わった頃に出発です。
そうそうこの日は朝広島は少し雨が上がりつつある感じでしたが、道中はあまりぱっとせず、明るくなるのも少し遅めだったように感じていました。津和野にきても曇天続きで、パッとしない感じでした。

津和野の風景(跨線橋から)

津和野からはまたグンとお客さんが減り、10名程度が益田に向かいます。山口駅を出て二駅くらい過ぎると、乗客はズーッとゼロ。益田の手前くらいから乗客がチラリとあるくらいで、なるほど廃止候補路線だわいと実感しました。

津和野駅の雄姿

益田駅の1番ホームには11時49分に到着しました。益田駅から山陰線で西に行くのに1時間半近く時間があります。そこで駅から10分くらいのところにある「島根県立石見美術館」に行くことにしていました。たまたまその朝の新聞を広げると、朝刊の文化欄にここでの特別展「彫刻家・澄川喜一の仕事」の紹介記事が出ていました。

これはグッドタイミング、ということで美術館に。駅から1キロくらいなので速足で10分という感じですね。とても良い展示だったのですが、今回の廃止路線の旅に書くにはもったいないので、別に詳しく報告します。
とはいえ40分程度で駆け足で美術館を巡り、また速足で駅に戻ります。土曜の朝ですが、美術館と駅の間を歩く人は皆無、もちろん車は通り過ぎますから、車主導の地方都市だな、それがまた廃止路線に繋がるのかと思いました。

オブジェから石見美術館を覗く

益田駅13時12分発の小串行きの山陰線。もちろん一両編成のディーゼルです。

益田駅発山陰線

この時間本当に山陰線は少ないです。
これは途中駅の「飯浦駅」時刻表ですが、西方向は9時台の後は13時、それが過ぎると18時台までありません。なので、1両編成のこの列車20人以上乗っています。

道中車窓から見た時刻表

でも天気は益田につく手前からグングン回復し、青空が広がります。日本海の青と青空、白い波。本当に素晴らしい山陰線の風景でした。

山陰線車窓から

少し萩で乗降客がありましたが、メインの東萩でようやく立つ人が出てくる感じです。そして長門市駅についたのは15時6分。2時間の山陰線の旅でしたが、土曜日とはいえ部活の高校生はいるし、生活者が乗っています。バスや車で代行するのはどんなものなんでしょうか。とはいえ日中ほとんど走ってない路線ですから…。
長門市駅に着いたこの列車は、さらに西の小串駅まで行くのですが、どうしても長門にある盲腸線の仙崎支線に乗りたいので、ここで山陰線とはお別れです。

小串行き

仙崎支線には丁度いい時間が無いので、一度長門市駅の外に出て、バスで仙崎まで行くことにしました。

長門市駅

駅前のロータリーにバス停があり、各社のバスがあります。仙崎の先は観光地でもある「青海島」があるので、何本かあり、今回は20分待ちでサンデン交通のバスがありました。

サンデン交通バス

この長門市というのは「焼き鳥」が有名だそうでして、中でも有名店として駅の近くの「こうもり」なるお店があるとのこと。バス停にあった町内地図を見ていると本のすぐそばということがわかり、バスの中からシャッターチャンスをうかがっていました。まだ3時過ぎだけど昼からやってるんじゃ。

こうもり

バスは乗客は私一人、途中7つほどバス停がありましたが、仙崎を過ぎて大三島に入ったところにある王子山公園で下車。道中は15分くらいでした。

王子山公園バス停

バス停から歩いて2分くらいで公園の展望台に到着。ここから見た仙崎の風景はとても有名、一見の価値ありです。

王子山公園からの仙崎

仙崎ならびに金子みすゞさんについても、澄川喜一さん同様に別途アップしますので割愛です。
さて、今度は本日のメインイベント、仙崎支線という盲腸線の旅です。
仙崎駅は本当に小さな無人駅です。

仙崎駅
行き止まり

駅の表示を見てもこの先はありません。なかなか良い感じです。
仙崎に折り返しの列車は長門市を経由してそのまま美祢線に入ります。
その仙崎支線の列車が到着です。

仙崎支線

お客さんは5人、長門方面に向かいます。長門市までは6分程度の短い旅ですが、私は盲腸線のローカル線とはいえ、これほど道中に人家が続いているとは思いませんでした。かつての仙崎の賑わいを彷彿とさせます。興味のない方は退屈でしょうが、6分程度の盲腸線の旅をお楽しみください。

長門市駅で13分待ちですが、これは山陰線の上りと下り、両方の待ち合わせの待機でした。いよいよ本日の最後の旅になりますが、18時19分長門市駅発の美祢線で厚狭に向かいます。
乗客は10人程度、週末山陽方面にでて、福岡辺りにでも遊びに行くのでしょうか、大きな荷物を持った若い人も目立ちます。
美祢線は良いローカル線でした。「長門湯本駅」前後の自転車くらいの速度で急坂を登っていくディーゼルの頑張る音は最高です。
厚狭駅には1時間ちょっと、19時25分には到着です。

厚狭駅に到着

皆さんはここで山陽新幹線に乗り換えるのでしょう。跨線橋を渡って新幹線方面に、私は一人在来線の表口へ。振り返って見た厚狭駅です。

厚狭駅

土曜日はここまで。駅前のビジネスホテルに泊まりました。
次回は日曜日の廃線候補路線の旅、小野田線~宇部線~岩徳線です。その次に総括した感想を上げたいと思っていますので、お付き合いください。

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