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雑草は踏まれても花が咲く

先日取引先のネットでのセミナーがありました。「“絶滅危惧種”がコロナ禍で黒字化へ 39歳まで主婦だった私の『思いやり経営』」という、なかなかに刺激的なタイトルの一時間のもの。講師は藤崎忍(株式会社ドムドムフードサービス 代表取締役社長)でした。

広島にはドムドムのハンバーガーはないので、一番近いのは岡山かな。

お話によると、ドムドムはマクドナルドの日本進出より先1970年に営業をスタート(当時はダイエーがバック)したそうですから、50年前か。でも私の人生の方が長いが、一度もドムドムは食べたことがないし、マクドナルドも年に一度食べるかどうか、という程度なのでハンバーガーは食べ物としては興味があまりない。

タイトルのようにマクドナルドという巨人の前に「絶滅危惧種」なのかもしれないな…と思いつつ聞いていました。話は色々あったのですが、どうも「象のマーク(どむぞうくん、というそうです)」のキャラクターがSNSでバズってコロナの中、追い風だったとか。また小回りの利く商品提供で「油淋鶏ーズバーガー」とか「丸ごと!! カニバーガー」「たこ焼き?バーガー」等々ユニークな商品を打ち出しているようで、もちろん味は保証付きだが、どちらかといえばバズり目当てでもあるようです。
どむぞうくんもファッションメーカーなど色々な所と提携して、黒字転換だったということでした。丁度NHKの就活サイトでも紹介されていました。

アイデアだな~と思いましたし、いわゆるランチェスターの弱者の戦い方に徹していると感銘も受けましたが、頭をよぎったのが何べんも紹介しますが、正月に見た「欲望の資本主義2023 逆転のトライアングルに賭ける時」。

番組では、今回は成長とは何か?という論点がありましたが、どうやら必要なものを作り出し、市場に提供することで、拡大する市場とともに企業が成長する、という時代はもう終わったということでした。つまり今作られて花形になっているものは、必需品なんかじゃない。だから売れないし、なんとか売るためにブランド戦略がもてはやされているというのでした。確かにブランドや、キャンペーンに走るのは商品やサービスそのものが必需品でなくなっているからかもしれないですね。
このドムドムバーガーも食べ物としては必需品とはチト違うでしょう。バーガーも、マクドのようなブランドで勝負や、キッズセットのようなおまけつき、あるいはキャンペーン商品でしのぐ商品にもう何年もなっているように思います。
それが頭によぎり、ドムドムバーガーさんの奇をてらった商品(失礼)や「どむぞうくん」のバズりが牽引力というのが垣間見えて、「欲望の資本主義2023 逆転のトライアングルに賭ける時」が裏付けられたような気がしたのです。もちろん逆風の中で“絶滅危惧種”が黒字化したことは素晴らしいと思います。こちらの会社はハンバーガーチェーンでいえば、どちらかと言えば泡沫の方(失礼)だから、まあ雑草ともいえる。しかし「雑草は踏まれても花が咲く」という言葉もあるように、したたかに生きているのだな。

さて「どむぞうくん」でありますが、象の諺で英語では「白い象(white elephant)」というのがあります。今度前阪神の藤浪投手が行くオークランドアスレチックのユニフォームには地球の上でバットを振る象、ストンパー君が描かれていますが、これは「白い象」からの由来というのは有名で、「わずらわしい物、無用の長物」という蔑称でもあります。ググってみると。

「タイの王は昔、自分の嫌いな家臣に白い象を贈った。贈られたほうは、白い象など珍しいもので、しかも王から贈られたものだからまさか捨ててしまうわけにもいかない。すなわち、森の中に逃がしたり、あるいは殺したりは絶対にできない。ところが象だから大食らいであるため莫大な金がかかり、しかも物を踏みつぶすので、家の中が目茶苦茶になるが、それでも捨てることもできず、その家臣はほとほと困ってしまう…というものである。

まあ弱いチームだから優勝など夢のまた夢、リーグのお荷物ということだったのでしょうが、白い象を意趣返しのスローガンにして、ワールドシリーズを9回も取っているといるのは凄い。昨シーズンはドムドムならぬダメダメでしたが…。

ところで名前のストンパーというのはストンプから来ているのかな?ストンプは足を踏み鳴らすという意ですから、試合の時「いけ―」とスタンドで床を踏み鳴らして応援するのかな。
ストンプといえばプロレスの「ストンピング」を思い出す。故アントニオ猪木氏もよくやられ、会場を盛り上げていました。
でも私は「サヴォイでストンプ」を連想します。歳だろうか?ベニー・グッドマンでどうぞ。


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