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点と点、澤田先生とタイプ

先日は「Son-in-Law」というジャズバーのことを書きましたが、その中にマスターが大学の先輩だったということも少し紹介しましたね。
その母校は本日ホームカミングデー、OBのサイトに登録してあるのでご案内が来たのですが、実は母校では卒業50年の金祝、40年のルビー祝、25年の銀祝、15年の銅祝というのをいただけることになっています。私は昨年ルビー祝というのに該当したものの、コロナ禍で祝賀会は延期(実際はなし)ということでした。卒業後長く行ってないので、この機会に行ってみようかな~と思っていましたが、残念。

さて案内のサイトを見ていると、大学の副学長による動画講演「交渉学の現在」というのが配信されるとのこと。面白そうだなと、副学長のプロフィールを拝見するとおっと「澤田壽夫」先生の名前が。

「1980年代初頭に澤田壽夫先生(上智大学名誉教授、元ICC国際仲裁裁判所副所長)が他大学に先駆けて開講された「国際取引法」講座を引き継がれ」とあります。実は私は大学四年の時にこの澤田先生のゼミでした。確かこのゼミがひらかれた初年度だったんじゃないかな。
選んだ理由はたいしてなく、一番は「卒論がない」ということだったと思います…。もちろん「国際取引法」なんて当時はまだグローバル経済じゃなかったし、商社関係以外あまり関係ない内容だろうと思っていたし、私自身商社や貿易関係に行こうとはこれっぽっちも思っていなかったんだけどね。

でもテキストは分厚い英語のもので、これを読み込んで…(今回のタイトル写真)、レポートは英文タイプ打ちで…というのがゼミに入った後判明し、本当に苦労しました。タイトルの写真はそのテキストですわ。
読むのは辞書引き引き頑張るしかないのですが、タイプはねえ~。
40年くらい前は英文科がタイプするくらいで、法学部がやるなんて全く異次元。コンピュータもパンチカードの時代だからね。
タイプライターを指一本でなく、なんとか使えるようにしなくては、と夏休みに帰省した地元のYMCAのタイプ教室に仕方なく一月ほど通いました。生徒は女性ばかりで、男は私だけという人生唯一の夢のような花園だったのだけどね。
とはいけ、お陰で遅くはあるものの、何とかブラインドタッチで打てるようになり、レポートをも英文タイプで打ったものを提出できました。

閑話休題、実はこの時期澤田先生は海外での仕事が入り、ゼミも休講が多く、たいして進まなかったこと、多分レポートのチェックも甘くなり、卒業できた大きな要因だったのではないかな。

その懐かしい澤田先生のお名前を拝見し、とても嬉しかったが、実は私の人生ではこのご縁がとても役にたちました。そうまさにスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での有名な「ステイ ハングリー、ステイ フーリッシュ」というスピーチの中の「点と点をつなぐ」(コネクティング ザ ドッツ)ですわ。

卒業した後、ある事務機メーカーの営業になり、当時はオフコンというのを担当していました。その会社では日本語ワープロというのを開発し、売ることになったのですが、その会社でキーボードを使った商品を扱っているのはオフコンの営業部門だけ、そこでとりあえずこの部隊で扱うことになったのですが、当時ここの営業でキーボードがうてる人はほとんどおらず、「鈴木やれ」ということに。まあ、オフコン売るより簡単でしたからね。大学四年の時に英文タイプ習ったおかげでブラインドタッチできた、つまり点と点が繋がったということですよ。

日本語ワープロって出たばっかりでしたから、広告出して会社に問い合わせ来ると、自動的に私に連絡が入る。デモして、サンプル作ってなんてお茶の子さいさいでしたから、なんと社長賞もいただけました。営業としても売れればうれしいだけでなく、自信もつくし、やっていけるかなと思いました。
その後この会社は電子タイプライター(英文)っていうのも出しましたが、この競合はIBMの「電動タイプライター」くらいだったので、これまた楽勝。ワープロと違ってタイプライターにはタイピストの用語がありましたから、お客さんと話が出来る人も他にはいなかったので、これまた幸運でした。
数年したらPCの時代になり、ワードの時代ですから日本語ワープロも電子タイプライターも消えましたね(一部複写で生息していますが)。

そうそう、メールののccとかBccってありますよね、あれってタイプ用語ですよ。ccはカーボンコピー(複写)ですし、Bccはブラインド・カーボン・コピーです。昔はタイプで複写をとる時に、紙の下にカーボン紙(黒い奴)を当てて、その下に複写用の紙をセットしてタイプ打ちしていました。もうその後点ご存じない方も多いでしょうね。

澤田先生のお名前を久しぶりに拝見し、このことを思い出しました。他にも「コネクティング ザ ドッツ」って時々あって、ハッとすることあります。人生にムダなんてことは一つもありませんぞ。

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