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中央図書館移転問題について

ゆるい地元紙にしては珍しい切れ味であります。

私はここへの移転は反対派なのですが、過去何度もその理由を書いたけれど、もう一度おさらいで書いておきます。

1 これは中央図書館であって、中区図書館などのような「区」図書館とは違うということであります。「区」図書館は利便性を考慮する必要があると思いますが、中央図書館はその役目から言って、役目を果たしたのちに利便性が浮上すると思います。

2 その役割とは書籍とのアーカイブの役割です。「区」図書館に流通するのは基本的に人気のある本で良いが、中央図書館は何年も人が借りてなくても、中央図書館に行けばその本がある、という稀少図書を保管管理する役割です。もちろん地域性があるので、広島ならではという作家、書籍、文書に傾斜的に収集するのは当然の役割です。正直人気のある流行作家の本は、本屋で買えばよい、「区」図書館にあれば何十人待ちでもそこで借りたらよい。

3 するとアーカイブの機能が重要とするなら、その建物にも必要なことは、耐震、耐火というような保管に特化したより強固な対策が必要でしょう。今のところ駅前ビルの8~10階に入るような構想らしいが、あれっ?11階はフードコート、レストランフロア―ではないでしょうか?あれはそのまま残るのでしょうか?残るとしたら火と水が中央図書館の頭上にあるという信じがたい構想になり、それだけでもアウトだと思います。

4 またこの中央図書館に関わって、子ども図書館や映像文化ライブラリーの移転も問題になっています。子ども図書館はなんとか現在の地域に残りそうな感じもあるりますが、映像文化ライブラリーは駅前に行くのだろうか?
広島で公営の施設で映画等の上映(常設)が出来る施設があるのは結構なことだが、世界平和文化都市にしては今の施設はあまりにお粗末だと思う。
隣県の山口には山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media) 通称「YCAM(ワイカム)」という複合施設があり、そこでは「爆音上映」も可能な部屋がある。何とかこのレベルにはできないものか?ここは山口市の施設で、なんと山口市中央図書館もこの施設に併設されている。

5 何で山口みたいな発想にならないのか?
実はもっと言えば新サッカースタジアムが現在の図書館から数百メートルの所に建設中です。スタジアムも当然ながら広島市の管理にあります。スタジアムは表の顔は当然ながらサッカースタジアムですが、大きな躯体であるだけに裏には他の施設が入ります。
基本計画には「幅広い世代が日常的に集い、にぎわいやコミュニティが創出される機能」として「多目的ホール/スタジオ 図書館/自習室 国際会議やビジネスなどに活用できるコンベンション機能 会議室(MICE、講義、パーティー等含む)」があげられているのですが、確かにスタンドの下や地下にはこういう大きなスペースや空間があり、そこをどう使うかというのも大きな課題だったはず。なぜ、そこを中央図書館として活用しないのか甚だ疑問です。

実はこのサッカースタジアムの場所も、広島県知事が宇品地区にごり押しで入れ込もうとして、すったもんだがあったもののようやくここに決定した経緯があります。だから今でも県知事がサンフレの試合に来てキックインセレモニーとかするときにはブーイングが出ますよ。
恐らくは宇品界隈のビジネスに思惑がある人がねじ込んだのだと思いますが、どうやら諦めた後は近くの出島に電車を延伸して、電車のパークを作る方に進路変更しているようですな。本当にイベントとウツワが好きな人らじゃ。

図書館も同様に、広島駅前のビルに移せば利権が働くという思惑の市会の先生方が蠢いているのだと思いますね。まことに文化には甚だ遠い面々だと思います。そもそもこの先生各位は市立図書館の貸し出しカード持っとるんかいな?どういう本借りてるか貸出履歴も見たいもんだ。


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