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マリス・ステラ

「湖畔地図製作社」何とも不思議な世界でした。

https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075819/

この本は長野まゆみさんの文と桑原弘明さんのオブジェの組み合わせなのですが、このオブジェが凄いのです。昨年末東京では展示会があったようですが、何とか現物を見れる機会はないものか。

さてその中に「マリス・ステラ」という文・作品がありました。

マリス・ステラ?、コーマック・マッカーシーの遺作にあたる二冊の翻訳が本日発売されますが、そのうちの一冊が「ステラ・マリス」。
原作が出てからなかなか翻訳されないで誠に待ち遠しいのですが、ガーディアンの紹介がこちらです。
同時に出たのが「ザ・パッセンジャー」ですが、「ステラ・マリス」のほうが後の作品のようで、まあ遺作ということになるのでしょうか。

どうやら「ステラ・マリス」というのは主人公の数学者アリシアの入っている精神病院の名前のようですが、先ほどの長野氏と桑原氏の作品名は「マリス・ステラ」同じものを指しているのかとググるとWikiで
海の星の聖母(うみのほしのせいぼ、ラテン語:Stella Maris)あるいはステラ・マリスの聖母は、聖母マリア、イエス・キリストの母マリアの古来の呼び名。またこぐま座アルファ星または北極星を指す」
と出てきます。
なるほど、「湖畔地図」の方ではまさにその方角の方を意味した使い方のようですが、マッカーシーはどういう意味なのでしょうか。早く手に取りたいです。

さて、先日の日曜美術館のアートシーンでムットーニが紹介されていました。私は世田谷美術館でしか見たことないのですが、不思議な世界が凝縮されてそこに存在するのに圧倒されたのですが、今回は八王子での展示会。

桑原弘明さんとの接点も感じていますが、地方だと見る機会本当にないんですよね。

さてマッカーシーの遺作2部作のまずは「通り過ぎゆく者」から読み始めましたが、あゝマッカーシー節。句読点のない長い文にドキドキです。
こんな感じ。

「きみはすべてを一つの瓶に入れてその瓶に名前をつけそこからゲーデルやチャーチづれの流儀で進む
んだがその一方でおそらくは基質の基質であるところの実在のものは凄まじい速度で道路をすたこら
逃げていくのであってその際には異体であろうとなかろうと質量のないものには体積がなくしたがって形もないのであるから最良の互換的な型においてぺしゃんこにできないものは膨らますこともできないし逆もまた真なりという条件がついているわけだがこの時点でー借り物の言葉を使えばーぼくたちは立往生してしまう。」

息継ぎができないから黙読しかない。

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