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煙のようなフレーズ

記憶の底からかすかに手が上がってくるが、なかなかその正体が見えないということはないでしょうか?
先日「DJ俚謡山脈の民謡沼めぐり」で「秋特集(2) 童心にかえる“わらべうた”特集」を聞いていたら、それが起きました。

毬つき歌、てまり歌だったが何曲か紹介されていたのですが、私の子ども時代の歌とは異なっていたものなので、へ~っと聞いていました。
そこに、ふっと遊び歌のフレーズが立ち上がってきたのです。なかなかそれが言葉としてまとまらなかったので、、モヤモヤしていました。一晩寝てもう一度らじるらじるで聞きなおしたら、パッと浮かんできたねです。それが「おちゃらかほい」のフレーズでした。
女房に「おちゃらかほい」って覚えてる?と聞いたら、見事に実演してくれて、私もしっかり思い出しました。これはじゃんけん歌だったのね。

さすがに60年近く口に出したことのないフレーズだったのですが、脳みその奥深くの引き出しにあったということでしょう。

もう一つありました。今月の「100分de名著」は折口信夫の「古代研究」ですが、三回目に「ほかひびと」という言葉が出てきました。
私の解釈では「ほかひびと」とは

もともと神様がとりついた(?)「まれびと」が、村々に訪れるが、その時に村民は神様を接待する行事を行った。さらにその「まれびと」が村々を廻り祝いの言葉などを唱えるようになると、その代わりにご祝儀をもらう「ほかひびと」が生まれることになった。諸国を流浪する念仏踊りの聖や琵琶法師、門付け芸人がそれにあたり、そこで面白おかしく演ずる芸能も磨かれていく。そのおおもとが「ほかひびと」

だったかな、そういう話がとても印象的だったのですが、その時またふっと謎のフレーズが立ち上がってきました。
これもなかなか煙のようで捕まえることが出来ず、ようやく2日ほどしてハッと気がついたのが「ほいと」という言葉でした。慌ててググると
「ほいと(ほかいひと)の本来の意味 わかりやすく解説 Weblio辞書」

この中の隠語辞典には「乞食をいふ。中国四国、奥羽、北陸の方言。「ほいと」ともいふ。ほいたうは陪堂の宋音。もと禅示にて僧堂の外堂に陪して食を受くる客僧即ち食客僧を称へしよりいふ。]とあります。
ああ、子どもの頃言っていた「ほいと」は、乞食のことじゃなくて「ほかひびと」から来ていたのだと初めて分かりました。

タイトル写真はこの夏に行った大山登山の霧の風景。大山寺に夜の10時ころついたが、その頃はもう霧で数メートル先しか見えない状態でした。

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