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海の日の前々日には海を越えて

海の日に係る連休ですが、今回一人旅の愛媛行きでありました。
メインは石鎚山の登山の予定だったのですが、10日程前の大雨で、庭の法面が少し崩れたため、10日の日曜に土と泥を土嚢袋に入れる作業をやり、その時斜面の作業だったので案の定腰を痛めてしまいました。
余りに痛いので、月曜には整形外科でブロック注射、その後もコルセットをはめる無残な生活になり、これでは登山なんか無理だなと思っておりました。でも金曜日には随分回復したために腰に爆弾は抱えているものの、こりゃいけそうだと決行を決意。ただし、しまなみ海道を使っていくのは不安もあり(高速代とフェリー代はたいして変わらないので)、土曜の11時頃の広島港発フェリーで松山観光港に向けて出発しました。そう、今回は気楽な一人旅です。


このフェリーは初めて乗りましたが、メチャメチャ快適。音戸の瀬戸を越えたところで昼飯を頂きました。むさしの四個入。

道中少し小雨もあり、また航路上も霧が掛かったりして、松山に着く前は島も陸地も全く見えない状態で少々不安ではありましたが。14時に無事に到着し、皆さんは松山市内への道を選ばれたのですが、私は別ルートで「三津浜」に向かいました。

その理由はGWに東城のウィーという本屋さんで買った「書店の現在地」という広島界隈の中小書店を紹介した本に、いくつかある中で松山のお店が紹介されており、この機会に行ってみようと思ったわけです。

三津浜は昔の松山のメイン港ですが、今は近くの島へのローカル路線のみのようで、さびれたというか落ち着いた港です。晩飯用の弁当も買いこみたいので、車を三津浜の外れにあるラ・ムーというスーパーに入れて、ポツポツ雨が降る中を「三帆堂」という書店さんに向かいました。
裏道を入り5分ほど行くと洒落た古い洋館、実際は病院だったそうですが、そこに到着しました。

ここは「町家バンク」が管理されているそうで、いくつかある部屋がそれぞれ貸し出されています。「三帆堂」は1階の待合室だったところとあったので、行くと閉まっており、ドアに「少しの間出ています」と貼ってあります。なんだか宮沢賢治の羅須地人協会にある「下ノ畑ニ居リマス 賢治」の不在案内を彷彿、書店だなあ~としみじみしました。

「三帆堂」さんは閉まっていましたが、二階にはお店が開いているようなので、ぎしぎしと階段を上がると「もちもちの木」という猫を中心としたモチーフの雑貨店がありました。
「もちもちの木」っていうのは会社の近くにある介護施設の名前だな~と思いつつ足を踏み入れると、「今日で閉店するの、大安売りですよ」と言われ、余り猫は得意じゃないけどな~と見てみると、私の好きな「ばね口のコインケース」が一つありましたので、おお、私を待っていたのか~と購入しました。ちょっと可愛すぎるけどね。

しばらく二階を覗いて、下に降りると何人か観光客が入ってこられ、この地区の古民家は人気があることに驚きました。
待合室のベンチで待っているとようやく「三帆堂」のご主人が帰ってこられ「待ちましたか、ごめんなさい」と鍵を開けていただきました。それほど広い本屋さんじゃないのですが、なかなかご主人の趣味がわかる新刊や古本が並んでいます。
「どうしてこの店を?」と聞かれたので「書店の現在地を読んで、一度行ってみたいと思って」と言うととても喜んでいただきました。
さて、店でパッと目に付いたのが「串田孫一 緑の色鉛筆」という「随筆シリーズ STANDARD BOOKS」というシリーズの一冊でした。これは石鎚に行くには似合いだな~と購入しました(写真は石鎚山土小屋での記念写真)。

「三帆堂」さん、頑張って続けて欲しいね。
この「旧濱田医院」には「三津お散歩マップ」というのが置いてあったので、それを片手にしばらく三津浜の裏路地を歩きましたが、静かな小雨の土曜日の午後、時間がゆっくりと流れていきました。
さて実は時間の制約があり、余りゆっくり出来ないので、スーパーで「チョコレート、塩飴、レーズン」の遭難時非常食セット(?)とお菓子を買い、さらにメチャクチャ安いお弁当(晩飯用)を購入して、4時過ぎには三津浜を後にしました。

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