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ガーナはチョコレート?すだれ!

昨日はアメリカのセレブによる性犯罪に対するジャーナリストの本を紹介したのだけど、世界は広い。今回読んだのはミステリ作品で「ガーナに消えた男」(クワイ・クァーティ)なんですが、ガーナを舞台にするミステリは初めて、しかしとても面白かった。

出だしはガーナからのネット詐欺、ナイジェリア等の石油ビジネスを吹っ掛ける詐欺は有名ですが、今回のものは出会い系サイトを使っての詐欺。中でも紹介されるのは例えばアフリカ女性を好きなアメリカ男性に対して、美形のアフリカ女性の画像をVRで動かし、声も女性の声に変換して男性を誘惑する。そして金を送らせるというもの。洋の東西を問わずこういうのはあるのだなと思ったが、これからメタバースの世界に移行するとなると、こういうのは日常茶飯事だろう。
例にして悪いが、ビデオが盛り上ったのはいわゆる裏ビデオというのが牽引したと認識しているし、動画サイトもアダルトものの効果は大きかった。今後のメタバースも、今の世界がコロナでリアルな接触が難しく、孤立が日常化しているので、こういう出会い系が、メタバース市場を作り上げる牽引車なのかもしれないな。
そうそうガーナ警察内のパワハラ、セクハラ、汚職というのも満載だが、我が国は笑えるのかな?

もう一つこの噺で興味深かったのはガーナの潜入ジャーナリスト「サナ・サナ」という人。彼は顔が割れないようにビーズのすだれで顔を隠しているのだけど、訳者あとがきによるとそのモデルがいるのだそうだ。それが「アナス・アレメヤウ・アナス」という方で、TEDでも話しているとのこと。早速見てその「すだれ」を確認しました。この人も凄いわ。

TEDを見ると、彼は自身が犯罪の場や問題の場に入り込み、映像という証拠をもって社会に提示するという方法をとっている。もちろん生命にかかわる危険を理解した上で、それでも白を切る犯罪者たちに有無を言わせぬ証拠を突き付けるという方法でしか解決できないと行動しているのだな。まあわかりやすく言えば、水戸黄門で悪代官や商人が言い逃れの出来ないところまで追いつめて(由美かおるが潜入ジャーナリスト?)、「言い逃れできぬぞ!」と印籠を登場させるという感じでしょうか。

我が国にもこのような問題の場所は決して少なくないと思う。すぐに思い浮かぶのが名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件。その前から入管施設での不適切な対応に対する抗議が上がり、一部映像も出ているが、法務省や出入国在留管理局は「適切」というだけで、「不適切でなかった」証拠は一切出すことがない。また海外からの技能実習生の職場での問題も同じだろう。

これはアナス氏のような危険な報道をしないと、真に問題を問題として取り組ませることはできないのかもしれないな。

しかし、このアナス氏の対極にあるのが我が国の高級紙、メディアの記者連のようだ。問題に近づかない、指定されたように取り扱う「羊」のような輩ですな。


そうそう、昨日アップした性犯罪の件。どうやら日本のメディアは大甘のようだ、こんなんでやっていけるんだろうか?

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